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Prey

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2017年4月25日

Preyのストーリー構築

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Prey

『Prey』のクリエイティブディレクター、Raphael Colantonioが本作を思いついた時、彼は上空12,000mにいました。

『Prey』の物語が地球の遥か上空、軌道を周回中のエイリアンに侵略された宇宙ステーションを舞台に展開することを考えると、それは必然にも感じられます。

Colantonioは振り返ります。「ちょうど休暇から戻る飛行機に乗っていました。とても長いフライトで、本作のベースストーリーはその時に書いたものです」。

出だしは順調。しかしそれは『Prey』の深遠な物語とリアルな世界観を描き出すための、壮大な冒険の始まりに過ぎなかったのです。テキサス州オースティンにある自分のオフィスに戻ったColantonioは、Arkane Studiosのチームを集め、『Prey』のアイデアを膨らませ、練って、擦りあわせを行い、エイリアンの生態系から、宇宙ステーションのデザイン、サイドキャラクターやゲーム内のセリフにいたるまで、どのように創作していくかを話しました。途中、プロジェクトのキーとなる人物が何人かArkaneに合流し、『Prey』のストーリー制作をサポートし、数年の時を経て、驚きとスリルに満ちた壮大なSFサスペンス大作が生まれたのでした。

リードデザイナーのRicardo Bareは語ります。「レベルデザイナーたちとは何度も長時間に渡るミーティングを重ね、ゲームの全体的なコンセプトについて意見を出し合いました」それと並行して、アートチームと協力し合い、暗殺を免れたケネディ大統領、宇宙開発競争における新たな焦点、ソビエト連邦との協調路線といったバックストーリー、そしてタロスI内部の雰囲気を象徴する「ネオ」アール・デコ調のアートワークなど物語の世界観を作りあげました(実際のロケット技術から、エイリアンや超常現象に関する疑似科学的研究に至るまで、詳細なリサーチに数え切れないほどの時間を費やしたことは言うまでもありません)。

Colantonioは言います。「60年代をモチーフとしたストーリー、そしてこのゲームの柱となる全ての歴史的要素や設定を思いつくのに、おそらく1年はかかったんじゃないでしょうか」。

Bareは付け加えます。「ダイアログ(会話部分)の制作にも入るまでに長い時間を費やしました。最初の頃はレベルデザイナーと構造について話し合ったり、動機や目的、バックストーリーについてアーティストと話し合うのに集中していました。それから1ページのあらすじをまとめるのに何度も何度もすり合わせを行ったのです」。

Avelloneの参加

途中、Arkaneは外部の声を取り入れることにしました。当時Arkaneのリヨンスタジオ(フランス)で『Dishonored 2(ディスオナード2)』の制作に専念していたHarvey Smithは地球外生命体「ティフォン」がなぜ存在するかについて論理面でのアイデア出しに協力しました。『System Shock』や『Dishonored』、『Dishonored 2』などの作品に携わったBAFTA賞受賞ライター、Austin Grossmanは初期のシナリオ案にあったアイデアを見直し、主人公であるモーガン・ユウがどのようにして失った記憶を取り戻していくのかについて考察しました。そして制作チームは『Fallout 2』、『Fallout: New Vegas』、『Baldurs Gate: Dark Alliance(バルダーズゲート:ダークアライアンス)』を手がけたゲーム業界の生ける伝説、Chris Avelloneに連絡を取り、シナリオチームへの参加を求めました。Ricardo BareにとってAvelloneの参加は念願でした。

Bareは語ります。「まだゲーム業界に入ってもいない頃から、『Planescape: Torment(プレーンスケープ トーメント)』は私がずっと夢中だったゲームの1つでした。ほかにも私が大好きなゲームがあって様々な格好いいキャラクターが出てくるんですが、全て同じ人がつくったものと知ったのは後になってからのことでした」Bareは2013年に開催されたPAX EastでAvelloneと共にパネルディスカッションに参加した際に初対面を果たしました。「ゲームファンの私にとって夢のような瞬間でした」そう語るBareの顔に微笑みが浮かびます。

AvelloneもBareとの共同作業に熱い関心を寄せており、Arkane Studiosと仕事をする話に乗りました。当初はColantonioがAvelloneに連絡を取ったのですが、あいにくその時Avelloneのスケジュールは埋まっていました。もちろんAvelloneは予定が片付き次第すぐになんとかしたいと思いました。Avelloneは振り返ります。「Raf(Colantonioのニックネーム)に連絡して、まだ私と一緒に仕事をしたいかと尋ねました。即答でしたね。話は進み、それからArkane Studiosを訪れ制作の調子を見ました。『Prey』そして彼らの作品に現れる開発アプローチにおいて、ゲームの根幹となる部分です。そして詳細にデザイン資料を分析しました」。

Avelloneも、PAX Eastの舞台で共同ディスカッションを行ったBareとの再会を楽しみにしていました。「リードデザイナー兼リードライターであるRicardo Bareとは、以前参加した文芸イベントですでに面識がありました。彼の作品はすでに読んでいましたし、とても気に入ってました(何かと多才なBareですが、彼の小説作品『Jack of Hearts』では恐ろしいドワーフの姿を描いています)。だから彼ら2人やArkaneのチームと仕事ができるのは素晴らしい機会だと思ったし、実際に素晴らしい経験でしたね」

個性的なキャラクターたち

Avelloneはすぐさま仕事を開始しました。ストーリーに関する意見や見解を提供するだけでなく、数々のサイドキャラクターやサイドクエストの開発にも携わりました。Colantonioは語ります。「Chris(Avellone)がつくるキャラクターにはほれぼれしっぱなしでしたね。彼は複雑なジレンマを抱えた、実にクールなキャラクターを作り上げました。プレイヤーとしてのあなたは様々なクエストに誘われる中で、何をしていいかわからない奇妙な状況に巻き込まれるのです。そしてどんな行動を取ろうが、自分は正しい選択をしたのだろうかという気分になるはずです」。

Avelloneは説明します。「数々のこまごまとした人物はさておき、主要キャラクターについてはそのキャラの心理描写も含めて5人ほど手がけましたね」。中でも彼のお気に入りは神経科学者の「ダイヨ・イグウィー」とチーフシステムエンジニアの「ミケイラ・イリューシン」です。「彼らの心理的成長はゲームの中でも特に気に入ってるシーンで出てきます」

イグウィー博士や彼の仲間を「ただの」脇役と考えるのは禁物です。なぜならモーガン・ユウは、過去がはっきりせず記憶も失っている、謎に満ちた人物で、サイドキャラクターは主人公の正体を明らかにするうえで重要な役割を果たすからです。Avelloneは続けます。「サイドキャラクターたちはプレイヤーが下した決定に対して、それぞれの視点から情報を与えてくれます。また、『Prey』の壮大な世界観に深みを与え、タロスIとトランスター社が作品世界の科学、社会、軍事に与える影響力について説得力をもたらします。その上NPCたちはそれぞれモーガン・ユウに対して異なる意見を持っているので、プレイヤーはそれを解き明かす必要があるでしょう」。

Bareは付け加えます。「ミケイラやイグウィーなどのサイドキャラクターは主人公のことを知っています。彼らは過去のモーガンを知っています。彼らは会話であなたの過去について触れるはずです。こうした形で自分の正体を探っていければ面白いでしょう」。

アクションとリアクション

AvelloneとArkaneチームとの相性は抜群でした。なぜならAvelloneのやり方はArkane Studiosが持つ哲学と近いものがあったからです。Bareは語ります。「彼が使う言葉は私たちとは異なりますが、基本的には我々と同じことを言ってるんです。彼は私たちといるとよく“リアクション性”の話をします。つまり自分が何かすごいことをしたり、他のキャラクターたちとインタラクトしたり、世界の中で何かをした時、キャラクターたちに何か反応をしてほしいんです。自分がとった行動に対して、連鎖反応が起きてほしい。この考えは私たちが『Prey』でやろうとしていたこととぴったり当てはまりました」。

Avelloneはさらに語ります。「ストーリー構造の面で、私が培ってきたロールプレイング的な物語における感性や反応をFPSに活かせるのは興味深かったです。たくさんのことを共有できましたし、また同時に多くを学びました」。

Avelloneの風変わりなユーモアもまた『Prey』のストーリーにぴったりでした。Colantonioは語ります。「Avelloneはいつも人物や会話に若干のブラックユーモアを込めます。それが我々のゲームが持つダークな雰囲気に合致するんでしょうね」。

Avelloneはシナリオ制作をするうえで、映画『エイリアン2』に影響を受けたといいます。「『エイリアン2』の核にあるものは“アクションサスペンス映画”です。最初から最後までほぼずっとね。ですが一部の人は、シナリオやキャラクター描写のおかげで、『エイリアン2』は最高に笑える映画になっていることを理解していません。むしろ、キャラクターのリアクションやそれに対する共感によって、コメディシーンが”しっくり”きているんです。特に明確なのはBill Paxtonですが、これは全ての登場人物に当て嵌まります。ホラーサスペンスという内容にもかかわらず、本当に面白い場面が多く、しかも物語の流れに合わせてタイミングがうまく計算されているんです」。

Avelloneからすると、その点に関しては、『Prey』は『エイリアン2』にとてもよく似ているそうです。ゲームとしてこれ以上ないほどのサスペンス性を追求した本作は、プレイ感が単調にならないよう、緊張をほぐすようなシーンが必要だったといいます。「プレイ感を損なわない範囲でユーモアを加える方がいいだろうと考えています。『Prey』ではそのバランスをうまく取ることができたと自負しています」。

リプロイヤーをめぐって

このユーモアセンスを示すいい例が、「リプロイヤー」と呼ばれる地味な装置です。Arkaneのアート担当によりデザインされたこの装置はデスクの上やオフィスの中などタロスI内のいたるところで見られますが、誰一人としてリプロイヤーが何をするための装置なのかわかっていません。プリンターでしょうか? 宇宙時代のFAXでしょうか? それともコピー機? 何度も何度もチームミーティングの席で、決まって誰かが尋ねるのですが、誰も答えを知らないのです。

Colantonioは明かします。「リプロイヤーについては、3回ほどゲームからカットしようという話になりました。(リードアートデザイナーの)Manu(Petit)とは何回かケンカになりましたよ。リプロイヤーなんてもう二度と見たくないって彼に言ってやったりね。その内ジョークとして取り入れてみるのはどうかという話になったんです。“宇宙ステーションに乗っている人々の誰一人としてあの物体がいったい何なのか知らないっていうのはどうだろう? 名前もリプロイヤーなんていう曖昧なものにして、劇中の人物にメールの中で話題に出させるっていうのは?”という風に」。

Arkaneは、現実世界でのトラブルをそのままゲーム内に反映させ、リプロイヤーをトランスター社の従業員の間で交わされるメールや会話の中で繰り返しジョークとして採用することにしました。Avelloneはひるむことなく、リプロイヤーを脚本に組み込みました。Bareは語ります。「Chrisは彼の書いたセリフの中でもこのジョークを使っていましたよ」(モーガンのオフィス内でミケイラとジャニュアリーの間で交わされる会話を注意深く聞いてみましょう。リプロイヤーに関するとても面白いやり取りが聞けるはずです)。

ダークなストーリーやディープな世界観を鮮やかに彩るのはこうしたやり取りであり、これによりAvelloneは『Prey』のすでに豊かな世界観にさらに深みを加えることができたのです。Avellone自身にとっても、素晴らしいコラボレーションだったと振り返ります。「彼らの要求は明確で、彼らが返してくれるフィードバックも的確でした。それにストーリーの点でもデザインの点でも、私が提起した問題に常に耳を傾け、一緒に考えてくれました。私は依頼を受ける形でここに来たわけですが、チームの、プロジェクトの一員になれている――Arkaneが受け入れてくれていると強く実感できました」。

『Prey』の日本語体験版『Opening Hour』が2017年5月18日〜6月30日の期間、PlayStation 4向けに配信されます。
詳細はこちらをご確認ください:Preyデモ – Opening Hourが配信決定

Preyの動画と情報:
Prey – タロスIについて
Prey – 武器、ガジェット、ギア
Prey – 世界を救えるのはYu(ユウ)しかいない
Prey – 能力ガイドと映像
Prey – ティフォンについて

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Gary Steinman

Senior Director, Global Content