
Arkaneのお気に入り: 開発時の思い出
はたから見ていても、ゲーム開発とは実に緩急の差が激しい作業です。上向きの時は開発者が長い時間費やしてきたものがやっと形となり、下向きの時は今まで努力がすべて水の泡という事態になりかねません。
このような環境のなかでArkane AustinとArkane Lyonのチームの皆さんは色々な思い出があると思いますので、キャラクターと武器&能力の時と同じように、長年にわたり最も記憶に残っている瞬間について尋ねてみました。
セバスチャン・ミットン、アートディレクター | Arkane Lyon
一番記憶に残っているのは、『Dishonored』で(元々計画されていた機能ではなかったですが)デザイナーの一人がネズミにポゼッションを掛けるようにするのはどうだという提案のもと、たくさんの同僚が協議をしていた時です。それ以降、このデザイナーはゲームに登場するネズミで遊び続けました。ある日、彼がネズミにスティッキーマインを取り付けた後にポゼッションを掛け、衛兵の近くで爆発させたところを見ました。それも当初はまったく計画していなかったことです。これこそ創発的なゲームプレイと呼べます。とても楽しいですよ!
ジェローム・ケンジェルスキー、リードテクニカルアーティスト | Arkane Lyon
『Dishonored 2』でプレイヤーが公爵と彼の偽者を特定するために使う醜い自画像のことを想像して、かなりツボにはまってしまいました。もちろん、コンセプトチームから絵画を実際に受け取った時は想像以上の出来で素晴らしかったです。
ジェレミー・カトリン、シニアレベルデザイナー | Arkane Austin
Dr.カルビーノがハードウェア・ラボで天びんをいじることで秘密の扉が開く「おぼろげな鏡の向こう」の動画をスクリプトするのがとても楽しかったです。細部まで見逃さないプレイヤーにご褒美を与える面白い方法でした。
僅差で次に好きなのが、Mr.グルーイー・マクグルーフェイスを作った時です。おふざけのつもりで彼を作ったのですが、誰にも伝えていませんでした。リカルド・ベアとセス・シェインがゲーム公開前にハードウェア・ラボを報道陣に紹介していた時に、彼の存在を知らない状態で彼に出くわした瞬間を覚えています。良い反応だったので、彼は残しておいても大丈夫だろうと確信しました。
- ウェンディ・ホワイト、 プリンシパル・ゲームエンジニア | Arkane Austin: 彼は最高でしたね! 誰が彼を入れたか全然わかりませんでした。よくやってくれました。

ジョナサン・フードラル、ゲームデザイナー/プロデューサー | Arkane Lyon
『Dishonored 2』の開発終盤で、一部のNPCが階段で転んでしまうことを発見したんです。理由はとても簡単で、NPCが速く走りすぎてしまうと地面より何フレームか上に達してしまい、ラグドールシステムが起動して彼らを転ばせてしまっていたのです。これぞまさにシステミック・デザインの真骨頂! 現実と同じようなことが起きてしまうんです。最高だと思いましたね! 修正はしましたが可能性を完全に排除したわけではないので、いまだに一部のNPCが階段を走っていると彼らが転ぶのを見ることができます。足元には十分注意しましょう!
ウォルター・バジェット、シニアシステムデザイナー | Arkane Austin
リリースできたタイトルの中でArkaneと協力したものは『Typhon Hunter』だけです。VRルームの取り掛かることができたのはすごく楽しかったですね。「キーボードを使わずに仮想物体だけでどうやってデバッグするのか?」みたいに通常の開発では見られない挑戦がたくさんありました。
- スーザン・キャス、ビジネスディレクター | Arkane Austin: [笑う] そういえばこんなこともありました: 『Typhon Hunter』に取り組んでいたQAテスターの中に、タレントのヴァンナ・ホワイトみたいな身振りをVRハンドでやりながらバグ動画を録画していた人がいて、すごく面白かったです。「レディース・アンド・ジェントルマン」 [手を振る] 「バグを… ご覧あれ!」
リッキー・リャマス、システムデザイナー | Arkane Austin
私の場合は『Prey』でストーリー作りに励んでいたことです。当時の私はまだインターン/契約職員で、セスとリカルドにライティングに興味があることを伝えたのを覚えています。なんとそれから数ヶ月間、私は長年憧れていたクリス・アヴェローネと一緒に仕事ができただけでなく、シャトルベイやパワープラントといったステージの環境ストーリーを作る自由をリカルドに与えてもらったんです。そのような機会のおかげで自分のキャリアをここで始めることができて、とてもありがたく感じました。

アリ・アメジアン、開発テスター | Arkane Lyon
自分は開発テスターなので、一番の記憶はバグに関連することが多いです。『Dishonored 2』の開発段階で見つかったベンドタイムの能力のバグで、時が止まっているにも関わらずNPCがランダムに回転して動いてしまうという、爆笑もののバグでした。あとは鯨油タンクを抱えたまま急に「飛んで」しまうというものもありました。鯨油を動力にしたジェットパックの初めての試作品でしょうね。
セイディ・ボイド、2D環境アーティスト | Arkane Austin
私の一番の思い出は『Prey』のQAですね。当初予定していなかったシナリオが色々と出てきたんですよ。「ねえ、汚染されたオペレーターから逃げていた時に2階から落ちたんだけど、落ちる時にオペレーターに擬態しちゃって、奴が派閥を変えちゃったんだ。それって… あり?」「いいよ、残して!」って言ったのは確かスーザンだったかな。
スーザン・キャス、ビジネスディレクター | Arkane Austin:
お気に入りの思い出を1つには絞り切れないので、2つ選びました。
- リカルド [ベア、Arkane Austinのクリエイティブディレクター] に『Brigmore Witches』にはラットボールに費やす時間もリソースもないと伝えたけど、次のゲームになら入れてもいいと約束したんです。ですが、『Prey』にラットボールを入れる合理的な方法がなかったんです。『Mooncrash』も、『Typhon Hunter』の時もそうでした。今やリカルドはラットボールを入れてもらえないというのが慣例となってしまいました。
- 『Prey』のグルーガンに試した無数のVFXも思い出深いですね。巨大な丸いバススポンジに見えるものもあったし、ものすごく… 不快な失敗作もたくさんありました。
- セイディ [ボイド] が言ってたんですが、私たちが見つけた「バグ」が最終的に「いや、それは面白いから残そう!」ってなることがあるんです。そういう瞬間が大好きですね。

グレッチェン・グラスホフ、シニアアニメーター |Arkane Austin
『Prey』のアーロン・イングラムの結末のアニメーションを制作した時です。アーロンにはモーションキャプチャーを使っていましたが、彼のタイミングに合わせてミミックが彼を追跡して攻撃するためのアニメーションを手作業で作る必要がありました。楽しくて想像力が試される課題でしたね。
トーマス・ミットン、シニアサウンドデザイナー | Arkane Lyon
2009年に『Dishonored』で初めての仕事についた時に、アーリーコンセプトアートを一部使ってサウンドデザインのビデオムードリールを制作したことを覚えています。Arkaneとは既に『The Crossing』と『Ravenholm』で作業したことがあったんですが、かなり特別な何かが起こるだろうと当時感じていました。今でもあの頃の思い出を振り返って自分の昔の作品を見ては、驚かされることがあります。私のチームは小さくて、この業界で6年ほどの経験がありましたが、才能あふれるチームと共に働いて自分もその一部になれるというのはとても光栄なことでした。ゲームの初めての試作品も覚えています。ダンウォールタワーは今とは違い、コルヴォは弓を持っていましたが、あの雰囲気とフィーリングは既に存在していました。本当に忘れられない体験です。
アンバー・ホフマン、QAスーパーバイザー | Arkane Austin
スタジオディレクター から「ミミックのクソ野郎がここからテコでも動かない」としか書いていないバグ報告を受けた時です。

ロイ・カイザー、シニアQAテスター | Arkane Austin
ジェレミー・カトリンの『Prey』のゲームジャム動画で、モーガン・ユウがファントムに惚れてしまったのが思い出深いです。