
Fallout 4
Buy Game今月のMOD開発者: Antistar
Fallout 4
Buy Game今月は、Bethesda Game Studiosのゲーム用のMODを長年開発してくれているAntistarからお話を伺います。
Antistarは、『Fallout: New Vegas』用に最もダウンロードされたMODの制作者として、「2016 Guinness World Records Gamer Edition」にも取り上げられています。
Antistar(Nexus、Bethesda.net)は多才なMOD開発者で、コンピューターオタクを自称するオーストラリア人です。彼は、Micro Fortéでレベルデザイナーとして働いていました。Micro Fortéは、『Fallout Tactics』を開発したスタジオであり、『Fallout』シリーズに長年親しんでいるプレイヤーの中には、馴染みのある方もいることでしょう。『Fallout Tactics』の開発は、Antistarがスタジオで働き始める前のことでしたが、ゲームに関わったメンバーと一緒に働いた経験は、彼にとって素晴らしいものだったとのことです。現在はゲーム業界を離れてはいますが、プロとして仕事を始める以前から現在に至るまで、彼にとってMODの作成はクリエイティブな自己表現の手段であり続けています。
先月、広く複雑なダンジョンと部分的に機械仕掛けになったプレイヤーの家が登場するSkyrimのアドベンチャー**「Clockwork」** (PC版、Xbox One版)を特集しました。今月は、Antistarが『Fallout 4』用に開発した2つのMOD、「Better Armory Mod (BAM) - Weapon Racks And More」 (PC版、Xbox One版)と**「Thompson SMG Replacer」** (PC版、Xbox One版)を特集します。以下で取り上げる進行中の2つのプロジェクトが元になっています。
「Thompson SMG and Better Armory Mod (BAM)」のMODは、2つの大きなプロジェクト、「Weapon Addition and Replacement Suite (WARS)」と「Project Extend And Change Everything (PEACE)」の先行版ですね。最終的な目標はどんなものでしょうか?
私は、SF的なエナジー・ウェポンより、従来の『Fallout』シリーズに出てくるような銃器が好きなんです。『Fallout 4』では、エナジー・ウェポン(とそれ以外の普通でない武器)がとてもうまく扱われていると感じましたが、もっと王道の「銃」を扱いたいと思いました。「WARS」では、そうした武器をもっと現実的なものに近付けるようにしました。例えば、「アサルトライフル」をAR-15プラットフォーム(よく知られたM4/M16のアサルトライフル)に置きかえたり、従来の銃器のラインナップをよりよくするために武器を新しくいくつか追加したりしました。
戦闘システムもより一般的なものにして、ゲームを没入型シミュレーションに近付けました。
一方の「PEACE」では、『Fallout 4』に自分が求めていたものを、まったく新しい形や、既存のものに手を加えた形でたくさん揃えました。このMODには色々な変更を詰め込み、「WARS」の姉妹版として開発していますが、2つのMODはどちらか1つだけでも使えます。「WARS」は戦闘に関するMOD、「PEACE」はその他の内容を詰め込んだMODとなっており、まさに「戦争」と「平和」を象徴したものと言えるでしょう(この2つの略称が対になるように、「Project Extend And Change Everything」などというぎこちない言い回しを使って頭文字が「PEACE」となるようにしました)。
この2つのMODは、(可能ならば)最終的に「War and Peace」というまとまった1つのパッチにする予定です。「戦争と平和」という美しい名前になりますね。

「WARS」と「PEACE」について、現在どんな作業を進めていますか?
「WARS」については、以前のバージョンからの作り直しとなる大型アップデートが保留になっている「AmmoTweaks」のフレームワークを統合する以外は、ほとんど完了しています。大幅な弾薬タイプの変更や発射モードの循環、武器の耐久性、武器の使用に必要なキャラクターステータス、弾丸の弾道モデルなどの「AmmoTweaks」の機能が使えるようになるのを心待ちにしています。
「PEACE」については、DLC「Automatron」で導入された自分のロボットを作成できるシステムで使える「貨物輸送機」アタッチメントが完成間近です。これは、ロボット用の大きな金属のバックパックのようなものです。以前にパワーアーマーでも似たようなことをしたのですが、誰かが「背中に装着するタンス.」と表現していました。
これは「PEACE」における所持容量の変更の1つです。これによって、所持品の容量がキャラクターのStrengthと装備の両方に依存するようになります。

「Clockwork」では、プレイヤーが探索できる素晴らしいロケーションがいくつも登場します。アイデアの源泉は何でしょうか?
「Clockwork」の城は、ビクトリア様式とスチームパンクの要素で出来上がっていますので、ビクトリア時代の芸術や建築、生活についてたくさん調べました。ドキュメンタリー番組(例えば『The Victorians』がお気に入りです)を見たり、歴史を扱ったブログを読んだりしましたし、Googleの画像検索にも多くの時間を費やしました。直接影響を受けたものとしては『Clive Barker's Undying』や『Thief 2』、『Arcanum: Of Steamworks and Magick Obscura』などのゲームがあります。こうしたゲームのビクトリア時代の描写とスチームパンクの要素から大きな影響を受けています。
対照的に、ダンジョンのデザインはストーリーからイメージしていきました。ダンジョンで使いたいシーンやゲームプレイのシーケンスと、自分が扱っていたSkyrimの既存の「タイルセット」の両方から構想を練っていきました。特定の部分でやりたいことと、既存のタイルセットとアートアセットでできることを勘案した形です。

「Clockwork」はストーリーも素晴らしい出来栄えとなっています。MODのために書いたストーリーでしょうか?
はい。このストーリーは「Clockwork」のために書き上げました。私も長いこと物語を書いてきましたが、純粋なフィクション作品というより、ゲームのためのストーリーがほとんどです。
「Clockwork」を書くにあたっては、内容が矛盾しないように、まずMODの設計上の目標といくつかの事項を設定した上でストーリーを書いていきました。例えば、「この文章ではテキスト読み上げ機能を使いたいので、会話をするのはすべてロボットにしよう」といった具合です。今回は、Dwemer Automatonがそれに当たります。あるいは、「この大きな城は、他のキャラクターではなく、プレイヤーキャラクターがやってきて所有する理由が必要だ」といったところです。
あまりネタバレはしないようにしますが、これら2つの要素は「Clockwork」のストーリーの主軸である隔離と葛藤に繋がっていきます。特に、便利なテクノロジーの副作用によって事態が悪化していく中での重要なテーマとなります。このテーマは私がずっと考えてきたことではありますが、私のお気に入りの映画である「回路」からの影響もあって、あのような形の表現となりました。

MODに手を付けてみたいと思うファンの方たちに向けて、どんなアドバイスをしたいですか?
基本的なことにはなりますが、まずは小さなものから始めるということです。MOD開発は非常に困難です。身の丈に合わないものを作ろうとすれば、すぐに行き詰まることになります。また、どういうものを作りたいのか、なぜ作りたいのか、というしっかりとしたコンセプトを持つこと、そして可能な限り計画に沿って作業を進めていくことが大切です。新しいものをどんどん追加したいという気持ちは分かりますが、その結果行き詰まってしまうこともあります。
実際のMOD開発においてぜひ頭に入れておいてほしいことは、MODの開発に入る前に、ゲーム本編でも他のMODでも何でもいいので、自分が作りたいものに似たものを探すことから始めるということです。そしてそれらがどのように機能しているのかを分析してみてください。その後、複雑な作業に行き当たった場合には、インターネットで解説などの情報を探すといいでしょう。

長年にわたり協力してきたMOD開発者たちに何かメッセージはありますか?
「WARS」のアニメーション部分では、特にHitman47101に大いに助けられました。MODのアニメーションの大部分は、彼のおかげで作ることができたと言ってもいいでしょう。また、War Daddy[(https://www.youtube.com/channel/UCbqsWMSy1xMnpA-JH8LX0Yg/){target=”_blank”}と[Ha_ruにも協力してもらいましたし、私がアニメーションの作成方法を復習するにあたってアドバイス等もくれました。皆さん、本当にありがとうございました!
「AmmoTweaks」の作成者であるisatharにも感謝したいと思います。現在作業中のMODのアップデートが登場すれば、「WARS」のフレームワークもスムーズに行うことができるはずです。
また、かなり前の話になりますが、『Fallout: New Vegas』の「WMX」の作成に協力してくれたThe 3rd TypeとMadCat221にも感謝したいと思います。
そして最後になりますが、私のMODのベータテストに協力してくれた皆さんにも感謝します!

オススメしたいMODはありますか?
今回は、私が今最も注目しているゲームである『Fallout 4』のMODに絞ってご紹介しようと思います。そもそも、全作品についてご紹介していたら日が暮れてしまいますからね。『Fallout 4』では、新たなMOD開発者が続々と登場しています。皆さん本当に素晴らしいMODを作ってくださっています。
Registrator2000's (Nexus、Bethesda.net)は、UIのMODなど、必要不可欠といっても過言ではない多くのMODを作成しています。また、FX0x01 (Nexus)は、複数のアートアセットを武器MODに組み込んで完璧に仕上げることに長けています。こうして書くと簡単そうに見えますが、実は非常に難しい作業です。武器といえば、asXas
(Nexus、Bethesda.net)が作成した一連の派手な武器MODも有名です。あとは、Niero (Nexus、Bethesda.net)も、クオリティが高く美しいアーマーと武器MODを作成しています。Kinggath's (Nexus、Bethesda.net)が作成した「Sim Settlements」シリーズもますます人気が高まり、もはや知らない者はいないと言ってもいいほどです。
そして最後になりますが、toounx (Nexus)は間違いなく注目のMOD開発者の1人です。ここで挙げた皆さんのMODは本当に素晴らしい出来栄えのものばかりです。