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Starfield

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2022年4月29日

『Starfield』の音楽の舞台裏

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宇宙への旅では、どのような音が聴こえてくるのでしょうか? a Game Studiosの開発プロセスにおいても欠かせないものです。エモーショナルなゲームプレイを実現する唯一無二のサウンドトラックを完成させるために、オーディオチームと作曲家は密に連携して音作りを進めます。そうした音楽は物語を形作り、皆さんの冒険にいつも寄り添うものとなるのです。

昨年、ロンドン交響楽団が『TES V: Skyrim』10周年記念コンサートの中で、作曲家のInon Zurの「Starfield Suite」を演奏しました。今回は、『Starfield』のオーディオディレクターであるMark LampertがこれまでのZurとの共同作業を振り返り、本作の楽曲に影響を与えたミュージシャンや映画サウンドトラックの一部をご紹介します。LampertとZurがこれらのアーティストの楽曲をまとめたプレイリストは、Spotifyよりお聴きいただけます。

Mark Lampertセレクション

Einstürzende Neubauten
彼らが活動を開始した1980年代は、「インダストリアル」の黎明期でしたが、彼らはジャンク・パーカッションや自作の楽器をはじめとして、これまでになかった音を多用します。これらの伝統にとらわれないパーカッションサウンドは、私にとっていつも魅力的に映り、すぐにシンセサイザーに頼らないユニークなアプローチに最適だったため、いくつかのサンプルをInonに送りました。彼らの音楽は、「事実は小説よりも奇なり」という言葉がよく当てはまります。ここで、バンドのベーシストであるAlexander Hackeの言葉を引用します。「ガラスが割れる音が欲しいなら、それを再現するのではなく、実際にガラスを割ればいい。そのほうが何倍も楽しいだろ! 生の音の方が表現力の幅が広がる。金属棒は叩き方によって違う音が出るんだ」

Kronos Quartet – 『Heat』サウンドトラック
Kronos Quartetはさまざまな映画のサウンドトラックに携わっていますが、『Heat』は私のお気に入りの映画の1つです。今でも年に数回は視聴していて、私自身、その音楽にかなり慣れ親しんでいます。この映画のサウンドトラックに収録されているKronos Quartetの複数の楽曲を、Inonに参考用のサンプルとして共有しました。ほとんどは長く続くような、あるいは非常に緩やかに展開するような、メロディラインがあまり動かない弦楽器の節が特徴的です。こうした音楽は、ムード作りやシーン設定の楽曲作りにとても参考になりました。

Inon Zur – 『Fallout 76』、『Fallout 76: Wastelanders』サウンドトラック
この過去2作のプロジェクトにおける楽曲は、Inonの最高傑作の1つでもあります。特に、『Wastelanders』のサウンドトラックでは、探索のBGMがより物語性を帯びており、長いストーリーを語りながらも、そのディテールに圧倒されてしまわないバランスに仕上がっています。Inonの楽曲の中でも、音数が少なく、コードが若干長く残り、音を一転、二転させるのではなく、同じものを数回繰り返すようなシンプルな構成は彼の真骨頂であり、私の心を鷲掴みにするものです。まさに、「少ないほうが豊かである」という言葉を体現しています。

True Widow
True Widowは、ダウンチューンとダウンテンポを極めたメタルサウンドが特徴的なテキサス北部出身の3人組です。多用される反響音の中に、壮大で、暗く、暖かなサウンドが漂う点をぜひ参考にしたいと思い、彼らのアルバムの中からいくつかをピックアップしてInonに渡しました。もちろん、これらの要素は宇宙の広大さや暗さにピッタリです。暗闇から出てきて、無限へと広がっていくような音楽にしようと最初に提案してくれたのはInonでした。メインテーマの最初の“大きなパッシングコード”は、Inonのそうしたアイデアをもとに生まれたものです。

Jason Moran
Jasonはニューヨークを拠点に活動するジャズピアニストで、彼のソロ楽曲の一部には本当に心を掴まれました。『TThe Sound Will Tell You』というアルバムをぜひチェックしてみてください。彼は、ダークなコードによるボイシングやキーボードの低音域、ダークな音域を多用し、またサスティンペダルを多用することで、音を反響させながらブレンドしていくスタイルを持っています。また、ルームサウンドをふんだんに使ったゴージャスなレコーディングも特徴的です。私はそれらの暖かみや軽快さが大好きで、ゲームのムードを盛り上げつつも、アクションやUIフィードバック、会話、戦闘などの前面に押し出すべきプレイヤーのアクティビティを邪魔しすぎないという点で、『Starfield』に最適だと感じています。

Steve Moore– 『Saturnalia』
この曲は、Steve Mooreによる非常に連続的で分散和音の効いたシンセチューンで、SF的なサウンドでありながら、冷たくエッジの効いた印象とは対照的な非常に暖かくソフトなサウンドに仕上がっています。大音量で聴いても、高域のシンセ音が不快に感じることはありません。低域をすべてカバーしているこの曲は、前景の音と喧嘩することなく、ゲームの背景として壮大で暖かなムードを演出してくれます。

Vangelis – 『Blade Runner』サウンドトラック
このサウンドトラックも外せません。この作品のシンセワークもやはり、ミックスを邪魔しすぎないのが特徴です。高音のメロディーも含め、すべてが心地よい柔らかさを持っています。また、多くの曲でサウンドデザイン的な要素が盛り込まれており、あらゆる種類の輝きやきらめき、電子的要素によって音楽とサウンドデザインのテクスチャの境界を曖昧にしながら、音楽の空間を心地よく埋めています。私は、ゲームのサウンドデザインと楽曲の間にある、このような“線からはみ出す”アプローチが大好きです。

Inon Zurセレクション (Mark Lampert記)

坂本龍一 – 『The Revanant』サウンドトラックより『Main Theme』
ストリングスが奏でるビッグコードには、暗闇から出てきて、膨らみを見せながらまた暗闇の中に消えていくような雰囲気があります。『Starfield』のメインテーマのイントロダクションでは、この曲から受けた影響をすぐに感じ取れるでしょう。

Johann Johannson
とてもムーディーな作曲家であるJohannの曲は、数多くの楽器群を非常にドラマチックに駆使し、瞬間瞬間に聴き手の感情を揺さぶりながらも、映画への没入感を妨げることはありません。

John Cage – 『Ocean of Sounds』
この作品とJason Moranのアルバムの間には、興味深い並行関係があります。こちらも、長い分散和音とサスティンペダルの多用や、壮大で軽快な音作りが特徴的です。Inonの『Starfield』の楽曲の多くには、この作品からの影響が色濃く反映されています。特に、オルタードコードを散りばめることによって様々な音楽的な“モード”を表現し、あるスケールの音を別のスケールに変化させている点はこの作品の影響と言えるでしょう。

Samuel Barber – 『Adagio for Strings』
これはInonが提案してくれました。私も知ってはいましたが見落としていたものです。映画『プラトーン』で印象的に使われていた作品ですね。この曲は、効果音などのサウンドデザイン要素をほとんど排除して、音楽そのものに完全に委ねるお手本と言えます。『プラトーン』では、そうした両方の音をミックスしなかったことによって、大きなインパクトを残すことに成功しています。まるで、「ここは音楽にすべてを委ねてしまえ」と言わんばかりです。この曲は、シェパードトーンのように、音高が永久的に上がり続けていくような特徴を持っています。このイメージは『Starfield』にもピッタリです。

*Zurは、『Starfield』の楽曲制作についての考えも語ってくれました。

「本作品の音楽を作るに当たっては、多岐にわたる音楽、作曲家、スタイルなどから影響を受けました。壮大なSF映画音楽の第一人者であるJohn WilliamsとJerry Goldsmithがインスピレーションを与えてくれたのはもちろん、ドビュッシーやラヴェル、プロコフィエフなどのクラシックにもインスピレーションを求めています。さらには、映画『ブレードランナー』のサウンドトラックをはじめとするシンセサイザー音楽にも目を向けました。シンセサイザーの取り入れ方の参考になりましたね。ほかにも、John Cageのような作曲家の作品を聴くことで、彼の音楽にあるミニマリズム的な要素も取り入れました」

「そして、私が聴きたい宇宙の“音”とはどのようなものか、これらの音楽的要素を組み合わせながらも、『Starfield』の音を唯一無二なものにするにはどうすればいいのかを考えました」

動画シリーズのエピソード3「Into the Starfield:冒険の旋律」で、ZurとLampertの話をさらにご覧いただけます。

『Starfield』はXbox Series X|SとPC向けに2022年11月11日に発売予定です。Xbox Game Passで発売日にプレイ可能です。

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