
DOOM® Eternal
Nods to Mods:「DOUBLE IMPACT」の制作者2人にインタビュー
DOOM® Eternal
見逃してしまったという方のために再度お知らせいたします。再リリースされた『DOOM』と『DOOM II』をご購入いただいた方は、「DOUBLE IMPACT」をダウンロードしてプレイいただけます。
「DOUBLE IMPACT」は非常によくできた追加コンテンツで、銃を撃ちまくるマリーンとしてではなく、UACの狡猾で賢い機械工としての『DOOM』スキルが試されます!
この素晴らしいMODを制作していただいたRottKingとRalphisにインタビューを行いました。スレイヤーの皆さん、ぜひご一読ください!
SLAYERS CLUB(以下SC):自己紹介をお願いします! ご自身のことについて教えてください。
ROTTKING:Matthew Cibulasです。結構な歳なのですが、32歳で、コネチカット州に住んでいます。
RALPHIS:Ralph Vickersといいます。フィラデルフィアで生まれ育ちましたが、最近タンパベイ・エリアに引っ越しました。若く美しい32歳です。『DOOM』のデスマッチをプレイしたり、作曲したり、海辺を長時間散歩したりすることが好きです。
SC:『DOOM』のMOD/ステージ制作を始めてからどれくらいになりますか?
ROTTKING:約15年です。最初に作った『DOOM』マップが2005年の「s***map9.wad」ですから。『Duke Nukem 3D』のステージの一部は1998年に制作しましたけどね。私がまだ無名だった頃です。
RALPHIS:私が初めてマップを作ったのは1999年で、WadAuthorに出会ったときです。なので、マップを作るようになってから約21年になります。皆さんに知られるようになったのは2002年以降ですけどね。
このフル・エピソード・リプレースメント(エピソードを完全に置き換えるMOD)を開発したチームの規模はどれくらいですか?
ROTTKING:私とRalphisだけです。
RALPHIS:ええ、少なくともマップ制作に携わったのは私とRottKingだけです。品質フィードバックを多数提供してくれたプレイテスターは数名いましたけどね。このエピソードを完成させるにあたってテスターの方々には大いにご活躍いただいたので、ここに名前を挙げておきます。infurnus、esselfortium、dewww、Alfonzo、NaturalTvventy、Xenaero、glortho、JoshSmith、whiteboy567の皆さんです。

SC:このフル・エピソード・リプレースメントの制作にはどのようなツールを使用しましたか?
ROTTKING:Doom Builderです… いや、Doom Builder 2だったかもしれません。
RALPHIS:マップ制作にはDoom Builderを使用して、Lump管理にはWintexとXWEを使用しました。
SC:このフル・エピソード・リプレースメントでは主に何からインスピレーションを得ましたか?
ROTTKING:最初は何もインスピレーションはなかったんです。私とRalphisで一度だけマップ制作のコラボプロジェクトをするつもりでした。制作を始めたときはエピソード全体を置き換えるつもりはなかったのですが、数ステージ制作したところでエピソード全体を手掛けることに決めたんです。
RALPHIS:ええ、制作当初はどんなものができるか見てみるだけの実験的なものでした。パック内の自分のマップを全て担当する多くのコラボレーションとは違って、私たちはただ部屋や通路を1つだけ作って、それを相手に送って作業を続けてもらうことがありました。最終的にマップがとても精巧で洗練されたものになってきたので、エピソード全体を制作すべきだと思ったんです。
SC:それぞれどのようにステージをデザインしていますか? それがコラボレーションではどうなりましたか?
ROTTKING:私が初期に制作した『Duke Nukem 3D』や『DOOM』のステージのほとんどは、デスマッチやキャプチャー・ザ・フラッグといった対戦マルチプレイヤーマップでした。
通常、こういうマップでは、できるだけやりがいがあるものが求められます。つまり、ビジュアルノイズやプレイヤーの動きの妨げになるものが少なく、クリーンで合理化された、広いスペースがあるデザインです。なので、私がシングルプレイヤーマップを制作するときは、そういったデザインの癖が残っていると思います。同じ理由でRalphisのマップ制作スタイルもかなり似ているので、私たちのコラボレーションは上手くいったんだと思います。
RALPHIS:まさにその通りですね。RottKingと同じように、私も10年以上にわたってマルチプレイヤーマップの制作をしてきました。その後、私たちにとって初めての「DOUBLE IMPACT」マップの制作を始めることになったんです。私はマルチプレイヤーのコミュニティの方に多くの時間と労力を注いできたので、そういったマップ制作の習慣が身に染みついてるんです。私たちはこれ以前に「UniDoom Deathmatch X(通称「UDMX」)」でたくさんコラボレーションしていたので、お互いがどうやって協力すべきかはすでにわかっていました。20年以上の間に数十人もの方々と作業をしてきましたが、RottKingは中でもお気に入りのコラボレーションパートナーだと言えます。

RottKingに感謝したいものの1つは、「DOUBLE IMPACT」のモンスターの配置です。彼がこれを担当してくれたのですが、その仕事ぶりは素晴らしいものでした。ほぼ全てのモンスターが、初期段階で戦闘を方向付ける素早い判断をプレイヤーに強いるように配置されているんです。それに、RottKingはかなりひねくれた巧妙なトラップもたくさん作ってくれました。開発の初期段階で、プレイヤーから「DOUBLE IMPACT」のトラップは腹立たしいけど楽しくて笑えるというフィードバックを多数いただきました。ほとんどのトラップは、敵との激しい戦闘を戦い抜くスキルに頼るよりも、武器を活用して慎重に動くことで乗り越えられるようになっていることがわかるでしょう。
SC:フル・エピソード・リプレースメントの計画を立てるにあたって、エピソード1「Knee-Deep in The Dead」を選んだ熱意には感心します。世界的にもっとも有名な『DOOM』のステージでしょうからね。エピソード1のフル・リプレースメントを制作するにあたっての考えを教えてください。
ROTTKING:E1M2を半分くらい進めたときのことでした。「Knee-Deep in the Dead」や、さらには『DOOM』アルファ版のデザインをしげしげと観察していたら、繰り返し使われているデザイン要素が見えてきて、それを自分たちのエピソードに使ってみようと思ったんです。同時に、自分たちのエピソードはオリジナルよりも難易度を上げたいとも考えました。「DOUBLE IMPACT」は回復が少ないことと悪質なトラップで有名ですが、それはきっと私のせいでしょうね(笑)。
RALPHIS:「Knee-Deep in the Dead」以上のものがあるとは思えません。私も含め、多くの人にとって、あの茶色や黄褐色、緑色、そして青色の独特な組み合わせが子供時代の記憶に刻み込まれているんです。最初からエピソード1スタイルのテクスチャセットにこだわるつもりだったかは覚えていませんが、結果的にはそうなりましたね。
そうなったのは当然だと思います。RottKingがエピソードの大まかなストーリーを考えたんです。主人公は基地にいる普通の機械工なのですが、突然「地獄」の侵略が始まります。主な目標はローンチ・ベイに辿り着き、生きて脱出することです。ほとんどのロケーションは「Knee-Deep in the Dead」に似ていますが、基地が敵に乗っ取られていくにつれて「The Shores of Hell」や「Inferno」の影響を感じられるエリアもたくさん出てきます。

SC:このフル・エピソード・リプレースメントの制作における最大の課題または困難を教えてください。
ROTTKING:個人的に一番大変だったのは、かっこいい屋外ライティングと影付けをマップに追加すると決めたときでした。エピソードのリリース準備はできていたのですが、E1M7の印章的な屋外ライティングと影がすごく気に入っていたので、それをエピソード全体に適用したいと思ったんです。結果的に、ゴール直前でパンドラの箱を開けてしまうことになってしまいましたね。かなりのストレスでした!
RALPHIS:最大の難関は、2人ともマップ制作のスランプに陥って、数週間ほどマップ制作が何も進まない状態になったことです。幸いなことに、このWADはそれほど宣伝していなかったので、特に守らなければならない締め切りはありませんでした。スランプに陥ったときは、自分に厳しく当たるんです。そうすることで、いつも結果的には良い方向に事が働いて、ガラクタだったものを価値あるものに変える方法が見つかるんです。
SC:このフル・エピソード・リプレースメントの完成には、どれくらいの期間がかかりましたか?
ROTTKING:1年半くらいだと思います。
RALPHIS:それくらいですね。手元に残っている最初のファイルは2009年11月9日のもので、リリースしたのが2011年3月30日ですから、1年半弱ですね。
SC:このWADで使用した楽曲について教えてください。
ROTTKING:Ralphが私たちのエピソードのために新曲を書いてくれて、それはすごく良かったのですが、『DOOM』のオリジナルの楽曲もたくさん使いたいと思ったんです。今となっては、Ralphにもっと曲を書いてもらえばよかったと思っていますが…
RALPHIS:私はこのエピソードで使用した『DOOM』のオリジナル楽曲が気に入っています。全て自分が作った楽曲にしたいという欲望を抑えたんです。うぬぼれ屋だと思われたくなくてね! WADを全て自分で作ったなら、全て自分が作曲したサウンドトラックを使用していたと思いますが、これはパートナーとの協力でできたものですからね。ステージのセットは、新しい楽曲とお馴染みの『DOOM』のサウンドトラックでいいバランスが取れていると思います。
SC:『DOOM』コミュニティで好きなMOD制作者、そして彼(ら)が制作したお気に入りのMODを教えてください。
ROTTKING:特に誰がお気に入りというわけではありませんが、自分のDoomtwidやUniDoomの仲間が好きです。彼らは自分自身のことをよくわかっていますからね。
RALPHIS:手前味噌になってしまいますが、私がこの20年間参加しているUnidoom clanは優れたマップ制作者たちを輩出していて、それがシングルプレイヤーコミュニティとは違う評価を受けるようにマルチプレイヤーコミュニティを形作ってくれたんです。
だから、deathz0rやRottKing、AlexMax、NautilusなどのUDMデスマッチWADに貢献したUniDoomのメンバー全員ですね。彼らの多くはキャプチャー・ザ・フラッグや対戦、MOD制作の各コミュニティの形成にも大きく貢献しています。他にはKBlairやSlimhazzard、Xenaero、Scuba Steve、そしてOdamexチームにも感謝を伝えたいです。彼らは賢くて、一緒に作業していてとても楽しい方々なんです。

SC:2人が初めてプレイした『DOOM』は何ですか?
ROTTKING:先に『DOOM II』をプレイしていたにも関わらず、『DOOM』に夢中になっていたことを覚えています。子供心に、「Mt. Erebus」は特に興味深いマップだと思っていました。
Ralphis:私が初めて『DOOM』をプレイしたのは、実はよく揶揄われるスーパー32X版なんです。7歳か8歳くらいの頃に、このバージョンで15マップくらいを数百時間かけてプレイしました。このバージョンはいつまでも忘れられないです。評判が悪いサウンドトラックも含めてね。子供の頃はもちろん、今でも、このバージョンのサウンドトラックはロックMIDIバージョンより変だと思っています。私の家にパソコンがやってきたのは1999年で、そのとき『Depths of DOOM Trilogy』を買ったんです。それ以来ずっとプレイしています。
SC:『DOOM』のMOD制作を始めたきっかけは何ですか?
ROTTKING:ゲームコンテンツを作るのはいつだって楽しかったです。子供の頃、ゲームにエディター機能があれば、そればかりいじっていました。『Duke Nukem 3D』、『Warcraft 2』、『Warcraft 3』、『Worms Armageddon』などに夢中でした。それに、Klik & PlayやThe Games Factoryなどの古いゲーム開発ソフトウェアを使うのがすごく楽しかったです。
なので、2003年に再び『DOOM』に関わるようになったとき、このゲームで自分のコンテンツを作ってみたいと思うのは当然でした。Doom Builderなどの優れたツールが使えたことや、ZDaemonやSkulltag(現在はZandronum)の活発なマルチプレイヤーコミュニティが大きな要因になっているのは間違いありませんね。
RALPHIS:子供の頃、自分でビデオゲームを作りたいとずっと思っていました。そのうち、自分が持っている『Master Levels for Doom II』には、「Maximum DOOM」というボーナスコンテンツが入っていることを知ったんです。中にはユーザーが作成したステージが数百個も収録されていました。それらを『Doom 95』で起動する方法がわかると、私は目を大きく見開いて飛びつきました。その後、DoomWorldやDoomNation(閉鎖)、DoomHQ(閉鎖)などのウェブサイトを見つけて、編集について多くのことを学びました。リリースから30年近く経った今でも人々を惹きつけてやまない理由は、『DOOM』エンジンのシンプルさと多様性の高さにあるのではないでしょうか。

SC:『DOOM Eternal』で楽しみにしていることは何ですか?
ROTTKING:グラップリングフックや空中ダッシュ、ショルダーマウント型タレットなど、新しいゲームプレイ機能を試してみることですね。侵入モードもすごく面白そうです。
RALPHIS:私はこのゲームにユーモアの要素が取り入れられているのが気に入っています。『DOOM』のモンスターのオリジナルデザインを見ると、子供にとっては怖いのと同時にコミカルでもあるんです。
それに、この15年間ずっとグレーとブラウンの色に傾倒していた業界において、『DOOM Eternal』は様々な色を利用していて美しく見える点も気に入っています。超パワフルになった『DOOM (2016)』のように見えますね。こういうゲームがもっと必要なんじゃないかと思います。
SC:その他に感謝を伝えたい人はいますか?
ROTTKING:UniDoom、YEDS、Doomworld、Doomtwidに感謝します。それと、SpongeやKevin Cloudのようなid Softwareの素晴らしい方々にも感謝を伝えたいです。皆さんお元気で! 『鉄拳』をプレイしましょうね!
RALPHIS:『DOOM』を楽しいゲームにしてくれていること、そして『DOOM』が私の人生において大きな存在になっていることに対して、UniDoom、Odamexチーム、World Doom League、Doomworldに感謝します。id Softwareのスタッフ、特に往年の『DOOM』を廃れさせないように貢献しているSpongeに敬意を表したいです。それと兄弟のRobbieにも。最初にカスタムマップのプレイや制作に付き合ってくれた1人なので。そしてもちろん、母と妻のSarahにも感謝します! UD最高!