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2023年8月10日

Nods to Mods インタビュー: 『Quake』用アドオン「Deathmatch Dimension」

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Quake

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Quake版の「Nods to Mods」へようこそ。この企画では、コミュニティのクリエーターから開発秘話を伺います。今回は、1ヵ月前にリリースされたばかりの最新アドオン「Deathmatch Dimension」について特集します。

本アドオンでは、オリジナル版『Quake』のデスマッチ用ステージが、『Quake』再リリース版で楽しめる全9ステージ(およびスタートマップ)のシングルプレイヤー向けのエピソードとして生まれ変わっています。

『Quake』古参ファンの方は目を閉じて、4対4のDM3 Clan Ringをプレイしたり、DM4で1対1の対戦をしたり、DM5でドアを操作できることに気づいたり、DM2でフレンドを溶岩に沈めたりした夜を思い浮かべてください。そして、そのマルチプレイ用マップの思い出が、シングルプレイヤー用アドオンとなってよみがえる瞬間を想像してみてください。それを実現するのが、ゲーム内のアドオンメニューからダウンロードできる「Deathmatch Dimensions」なのです。そして今回のインタビューには、その開発者であるAndrew ‘Than’ Palmerをお呼びしました!

Slayers Club: インタビューをお受けいただきありがとうございます! 気になっていたのですが、そのハンドルネームを『Quake』コミュニティで使うようになった理由と、あなたのゲーム歴を教えていただけますか?

Andrew ‘Than’ Palmer(以下、AP): このニックネームは私がインターネットで初めて使ったハンドルネームで、辞書で見つけた「Thanatopsis」という言葉を縮めたものです。Wikipediaによれば、これはウィリアム・カレン・ブライアントの詩の題名ですが、辞書の項目は単に「死観」と書かれていて、グランジ好きな10代の少年の脳にはカッコよく見えたんです。

イギリスのイースト・ミッドランズ地方の村の出身で、とても素敵なところで育ちましたが、20代半ばで日本に移り住みました。ゲーム業界で働いていて、最初はイギリスのRebellionで複数のPlayStation 2のゲーム制作に携わった後、日本に引っ越すことにしました。京都に移ってからは、主にインディーゲームに携わりました。少人数のチームでいろいろなことに取り組める柔軟性が好きだったからです。Q-Gamesでは初期の『PixelJunk』シリーズの多くに携わり、一番気に入ったプロジェクトは『PixelJunk Shooter』でした。現在は、京都の17-BITという小さな会社で働いていて、たまに本業以外で制作したものをItch.ioのページに載せています。

SC: 『Quake』のステージ制作を始めたきっかけは何ですか?

AP: 子供の頃、『DOOM (1993)』が大好きで、自分で『DOOM』のステージを作りたいとずっと思っていました。残念ながら、実際に作るツールは持っていなかったので、代わりに方眼紙にステージを描いて、それをプレイしたらどうなるかを想像していました。

そんなときに、学校の友達からもらったフロッピーディスクに『DOOM』用のゴアパックのようなものがあったんです。大まかに言うと、それはdoom.wadの特定のグラフィックをよりグロテスクなバージョンに置き換えるコマンドを実行するバッチファイルでした。それで自作のグラフィックをゲームに入れる方法を知ったんです。残念なことに、母に古いPCを譲ったときにファイルを全て削除されてしまったので、今となっては何の記録も残ってないのですが… とにかく、それが私の初めての「Mod体験」ですね。

15歳のとき、GCSEの試験が終わったのと同時に新しいコンピューターを手に入れ、さらに、イギリスの『Computer and Videogames』という雑誌で『Duke Nukem 3D』のソフトが当たりました。『Duke Nukem 3D』には、開発者がゲーム制作に使用したステージエディターが同梱されていたので、私はついに本物のステージを作ることができました。大きなシングルプレイヤー用マップで、2週間くらいかけたと思います。最終的にはそのステージをインターネット上で公開したのですが、当時は自分でプレイして、友達とディスクで共有することしかできませんでした。

『Quake』のマップを初めて制作したのは、それよりも少し後になります。というのも、PCゲーム雑誌の付録CDで「Worldcraft 1.6」のシェアウェアを手に入れるまで、なかなかエディターが手に入らなかったんです。最初はただデスマッチのマップを作って、Reaper Botsと一緒にプレイしていただけで、その後『Quake II』でも同じようなことをしていました。その後になって『Quake』のシングルプレイヤー用のステージを製作しました。

SC: 「Deathmatch Dimension」では何からインスピレーションを得ましたか?

AP: デスマッチ用のステージをシングルプレイヤー用マップとしてリメイクすることにしたきっかけはよく覚えていませんが、czgとVondurが「E1M1」のリメイク版をリリースしていて、プレイする内容は同じでしたがグラフィックが向上していたんです。彼らはソースを公開し、Speedyという別のマップ制作者が、プレイヤーに別のルートでステージを通過させる難しいバージョンを作ったのですが、私としてはそっちの方が好みでした。見慣れて古くなったステージを新しい方法で体験できるからです。こうした初期のリメイクに触発されて、2006年に「DM3RMX」というマップをリリースしましたが、これがやがて「Deathmatch Dimension」となるシリーズの第1作となりました。

デスマッチ用ステージにシングルプレイヤーを追加することにしたもう一つの理由は、『Quake』で遊べたシングルプレイヤーステージには全てデスマッチモードがあったので、逆にデスマッチマップにシングルプレイヤーを追加したらどんな感じになるだろうと考えたからです。DM3を選んだのは、シングルプレイヤーモードを追加するのに十分な広さがあり、敵と戦うのが楽しそうな広いエリアがいくつかあったからです。DM3はまた、マップが中央の難所であるアトリウムを挟んで半分に分かれているという、なかなか面白い構造になっています。チームプレイだとそこで駆け引きが生まれ、シングルプレイヤーでもプレイヤーが何度か通過するエリアでもあります。

「DM3RMX」をリリースしてからは、デスマッチの全マップをリミックスしてエピソードにしたら面白そうだと考えるようになりました。「DM3RMX」の他にも3つのマップをリリースしたのですが、実生活やモチベーションの低下のせいであまり進みませんでした。だからこそ、今年ようやく完成させることができて本当にうれしいですね。

SC: この作品をリリースするにあたって活用したツールは何ですか? 最新のツール、信頼性の高い旧来のツール、それとも、その合わせ技でしょうか?

AP: ずっと昔に最初のマップを作り始めたときは、全て「Worldcraft 1.6」で完成させました。このツールは、Windowsのバージョンが新しくなるたびに動作がおかしくなっていくように思えましたが、90年代当時には、他のツールとは比べ物にならないほど素晴らしかったんです。

2018年になると、「Trenchbroom」を使い始めました。『Quake』コミュニティを見て、それが実際に使われているだけでなく、おそらく90年代や2000年代初めの時よりも良くなっているように思えたからです。「Deathmatch Dimension」の全エピソードを制作するにあたって、古いマップを遡ってカラーライティングや全体的なブラッシュアップを行うなど、全ての作業を「Trenchbroom」に切り替えました。

私が使った他のツールはほとんど年代物でしたが、コンパイルツールはほぼ最新のものばかりでした。長年にわたってQBSP、Vis、Lightに携わってきた人たちはとても素晴らしい仕事をしてくれていて、ライティング、規模、ディテールのどれをとっても1996年当時をはるかに上回るマップが制作できるようになっています。最新のコンパイルツールだけでなく、最新のコンピューターも90年代のハードウェアとは比べ物になりません。昔は一つのマップのコンパイルに数時間、ひどいときは数日かかっていましたが、今では数分で終わりますから。

SC: このアドオンのステージの完成までに費やした時間を教えてください。

AP: はっきりとは言えませんが、恥ずかしくなるくらい長い時間がかかりました。マップを一つ作るのに1日4~6時間、週に4~5日かけて、それがさらに2~3週間かかったと思います。何かに集中すると時間の流れが分からなくなることがあるので、実際はもっとかかっているかもしれません。なので、フルタイムの仕事に加えて、別のフルタイムの仕事をしていたようなものです。この時間の多くは、実際のステージ作成よりも、アイデアを考えようとゲーム内を見て回ることに費やしていました。

SC: 『Quake』コミュニティで好きなMOD制作者、そしてその人が制作したお気に入りのMODを教えてください。

AP: たくさんのマップ制作者がいるので、誰か一人だけを挙げるのは気が引けますね。ですが、『Quake』のコミュニティを活気づけてくれた大規模なMODはずっと前からあり、それがなければ25年以上前のゲームにこれほど活気のあるコミュニティは存在しなかっただろうと思います。私にとっては、「Quoth」、「Arcane Dimensions」、「Copper」がそうしたMODにあたりますが、これらのMODが存在するずっと前にも、素晴らしいMODやステージが山ほどありました。

あと、マップやMOD以外で一番好きなのはQuake Done Quickですね! YouTubeのQuake Speedruns Explainedがスピードランを解説する動画は本当に楽しく見させてもらっています。「Deathmatch Dimension」の良いランが見られることを期待しています。それに、製作中にもある程度スピードランナーのことを考えていました。

SC: その他に感謝を伝えたい人はいますか?

AP: id SoftwareのKevin Cloudからメールを頂いたおかげで、デスマッチ用からアレンジした幾つかのマップをフルエピソードにする長年の想いを叶える踏ん切りがつき、感謝しています。オリジナル版『Quake』の開発者の方からメールを頂いたのは、本当に夢のようでした。

また、この何年もの間、素晴らしい作品、イベントやディスカッション(くだらないもの、真面目なもの、雑談、揉め事など、どれもとても面白いものでした)を楽しませてくれた『Quake』コミュニティの方々にも感謝を伝えたいです。25年以上前のゲームのマップやMODを作っている人たちがまだたくさんいること、そして、その制作者の多くが『Quake』がリリースされた後に生まれた人たちなど、このゲームにとっては比較的若い人たちであることは、信じられないことです。

また、ずっと前にこのような素晴らしいツール(Worldcraft)を作ってくれたBen Morrisにも、「SleepwalkR」と「Trenchbroom」の開発者の方々にもお礼を言わせてください。

最後に、「Deathmatch Dimension」を遊んでいただく皆さんにも感謝いたします。皆さんが楽しんでくれることを心から願っています!

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Joshua Boyle

Senior Community Manager