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DOOM® Eternal

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2020年6月26日

Nods to Mods インタビュー:「BTSX, Episode 1」

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再リリース版『DOOM II』用に、アクション満載の新たなアドオンが登場しました! どちらの作品のメインメニューからも「BTSX, Episode 1」のダウンロードとプレイを行えます。27マップ分ものスリルあるデーモン討伐をお楽しみください。詳細は後ほどお伝えしますが、「BTSX」がアドオンとして登場するのは、このエピソード1が最後になる… のでしょうか?

まさか

「BTSX」プロジェクトのリーダーを務めるSarah“esselfortium”Mancuso氏は一流のMOD制作者で、自称300歳のインディーゲームやビジュアルノベルのサウンドクリエイターです。Mancuso氏が楽曲を担当した作品には『Heart of the Woods』や、リリース予定の『Summer at the Edge of the Universe』などがあります。今回、幸運にもMancuso氏にインタビューする機会を得て、この素晴らしい「BTSX」シリーズの制作裏話を知ることができました!

SLAYERS CLUB(以下SC):『DOOM』のMOD作成を始めた経緯は? 『DOOM』のステージ制作を始めてからどれくらいになりますか?

SARAH MANCUSO(以下SM):私はちょっとオタク気質の子どもでした。自分でゲームを制作したり、市販のゲームも素直にプレイするのではなくて、MODを作る方に時間を費やしていました。リソースを探ってグラフィックとかメニューを変更できるのなら、絶対やるタイプでした。

『DOOM』は想像できる限り何でもやれるゲームのように思えました。ソースコードが公開されるずっと前の話です。 『DOOM』のマップ制作に興味を持ったのは90年代後半です。最初の数年は全然ダメでしたが、2005年頃から本腰を入れて学び始め、コミュニティにも本格的に関わるようになりました。

SC:「BTSX」のエピソード1は何人のチームで制作しましたか?

SM:私以外では、「BTSX E1」の制作にはレベルデザイナー14人、サウンドクリエイター5人、アーティスト1人、それに大勢のプレイテスターが参加しています。当初の予定はささやかなものでしたが、雪だるま式に規模が大きくなり、チーム全員の努力で素晴らしい作品となりました。

SC:このMegawad制作には、どんなツールソフトを使いましたか?

SM:ステージ編集で主に使ったツールはDoom Builder 2と、その後継ソフトです。リソース管理には主にSLADEを使いました。私はPhotoshopでテクスチャを制作し、PtoingはProMotionで、ロゴやステータスバーなどに使うドット絵を見事に作ってくれました。サウンドトラックの作曲には、JimmyはCakewalkを使い、私はReasonとSekaijuを使いました。

SC:このBTSXシリーズでは主に何からインスピレーションを得ましたか?

SM:BTSXのインスピレーションを得たのは「The Darkening E2」です。オリジナル版に対応している古い『DOOM』用のマップセットで、『Quake 2』に影響を受けたオリジナルのテクスチャが使われていました。初期段階では『DOOM 64』からも影響を受けています。

そこから発展していって、あらゆる種類のアイデアや影響を受けた発想を試す場所となりました。最初はハイテク路線だったんですが、「E2」で中心になっているような、ゴシックで悪魔的なテーマに路線変更することになってからは、特にそうでした。

SC:どのようにステージをデザインしていますか?

Doom Builderを1年間ぼーっと見つめた末、ようやく頂点を1つ動かせるくらいのペースですね。

「32in24」シリーズのような“スピードマッピング”のプロジェクト以外では、私はかなり念入りに作業をするタイプなんです。私の場合、外からのプレッシャーがない状態だと、スピードマッピングをやろうとしても長期プロジェクトになってしまいがちです。

「BTSX E1」では、その点において大きな例外がひとつだけあります。マップ19「sandbox city」ステージは元々、最近私が3時間で作ったスピードマップだったんですが、「E1」の大型アップデートをリリースする日のまさに前日に、Tarnsmanと私で「BTSX」のステージにしようと決めたんです。Tarnsmanがディテールを担当し、元々のレイアウトにさらに肉付けをしたり、オブジェクトを配置していきました。並行して、私が都市のテクスチャを制作し、出来たそばから彼に送りました。プロジェクトに新鮮さをもたらすには、ときにはこんな風に自発的な“やってみよう”というアイデアが必要なんです。

デザインの優先順位に関して言えば、マップで一番重視しているのがレイアウトの流れと経路です。ある進路が分かりづらかった場合、どうすればそれをプレーヤーに論理的に感じさせることができるか、と突き詰めていくのはパズルみたいで面白いです。それから、動く構造物が大好きですね。部屋全体が下がったり、形が変わったりして新しい何かが出現する、みたいな仕掛けは、いつも強く印象に残ります。「BTSX E3」では、可動する大型パーツをもっと用意するつもりですよ。

それに、「DOOM 2 The Way id Did」などのプロジェクトに参加したことも、今の私のマップ制作スタイルに大きな影響を与えたと思います。特に、Sandyの実験的な“セットピース”を取り入れる手法とか、Romeroの好むオープンスペースや、ダメージ床の上に張り出した危険な足場、といったものから影響を受けています。MAP17は、「BTSX E1」の開発途中で完全にデザインをやり直しました。「D2TWID」で行っていた作業からインスピレーションを得たことが理由のひとつです。曲がりくねった通路だらけだったのを、可動部分のある一連のクールな“セットピース”エリアに作り変えました。「BTSX」以外では、「Ancient Aliens」の私が作ったマップ「Acerola-Orion」にも、Romeroのデザイン哲学が大いに反映されています。

SC:「BTSX」制作における最大の課題または困難を教えてください。

SM:これほど大規模になったプロジェクトの管理は大変でした。物事を整理し、うっかりミスを避ける上では他のチームメンバーが本当に大きな助けとなってくれましたが、それでもトラブルはありました。もっと小規模なプロジェクトのリリース時にも、細かな点でうまくいかないことは多くあります。「BTSX」ほど大きなものとなると、本当に困った事態がいくつか生じるのはほぼ避けられません。初公開した日に、私はMAP22の最終調整を行ったのですが、間違ってそこから出られなくしてしまい、数時間後にホットフィックスを出すはめになりました。

あらゆるものにバニラのDOOM2.EXEとの互換性を持たせるのも困難でした。『DOOM 2』では元々、一度に画面上に表示できるジオメトリの量が極端に制限されていました。「BTSX」を作り始めたとき、この制限内にとどめつつ、その制限を感じさせないような仕上がりを目指そうと決めました。クールなチャレンジになるだろうと思ったんです。自虐的ですよね。その結果、「E1」と「E2」のステージのいくつかは、バニラの制限内に詰め込むために大幅な修正を加えることになりました。

開発途中で、それまで知られていなかった『DOOM』のバグと思われるものに出くわしました。単独のWADファイル内のデータ容量が大きすぎたため、内部ベータ版の「BTSX」がDOSをクラッシュさせてしまったのです。バニラでのリリースのためには、リソースを2つのファイルに分けなければなりませんでした。

また、自ら招いてしまった困難もいくつかありました。例えば、「E1」のMAP17の結末では単にスタートエリアに戻ってくる予定だったのですが、それに満足できず、ここでしか使わないカスタムテクスチャを大量に作って、様子の一変した爆発後バージョンのエリアに戻ってくるようにしました。『RAGE』みたいに大量のテクスチャを使ったわけではないんですが、似たような発想です。これも、MAP19のような“やってみよう”というアイデアのひとつでした。でも結局は“これって実はすごく難しいし時間もかかる。なんでこんなことやろうと思ったんだ”というアイデアになってしまいましたが。仕上がりには満足していますが、もう一度やろうとは思いませんね。ハハハ。

SC:エピソード1の完成までに費やした時間を教えてください。エピソード2はもっと早く完成しましたか?

SM:手短に答えると、エピソード1には約1000年かかり、エピソード2には3万年かかりました。今はエピソード3の開発を記録するために、新しい暦を作っているところです。

まじめに答えると、エピソード1の制作は2009年に始まり、その構想は今よりずっと小規模でした。しばらくは他のプロジェクトに集中していたので、このプロジェクトには全然手をつけていませんでした。再開したのは2011年のことで、チームメンバーの大半が参加したのはこのときです。2011~2012年は「BTSX」の開発において最も忙しい時期でした。新しく加わったマップ制作者たち全員が、お互いにインスピレーションを与え合ったことで雪だるま式に弾みがついたんです。「E1」と「E2」の大半のステージはこの時期に誕生しました。“Vesta Station”や“The Annex”など、2009年に作られたステージもいくつかありますが、当時のものと最終リリース版を比較すると、かなりの変化を遂げています。

笑えることに、ある時点までは3つ全てのエピソードを1ヵ月間隔でリリースするつもりだったんです! 作業量と、それぞれのリリース後に生じる燃え尽き症候群の度合いを低く見積もりすぎていましたね。

どんなに長い時間がかかっているのか、恐ろしくなる話をご紹介します。私は最近、YouTubeの「E1」のプレイ動画に「昔、パパとこのマップで協力プレイしたよ。懐かしいな」ってコメントがついているのを見たんですよ。

SC:このシリーズはとても野心的ですね。本シリーズのエピソード3における予定と、シリーズを3部作にすることを決めた理由を教えてください。

エピソード3では、ドゥームガイが壊れたタイムマシンを発見して、次元の狭間に入ってしまいます。虚空のマップや、荒涼とした夢の世界、森の中の村、堕落したハイテク、都市の裏道やアラブの寺院… いろいろ登場しますよ。 3部作になった理由ですか? それは、単に皆がマップを作りすぎただけです。お互いの作品を見るのが楽しみすぎて、やめられなかったんです。:)

そこで、複数に分割してリリースするか、全体からマップを大幅にカットして単独のmegawadに収めるかを話し合い、最終的にテーマに沿った3つのエピソードに再構成することになりました。

SC:『DOOM』コミュニティで好きなMOD制作者、そして彼(ら)が制作したお気に入りのMODを教えてください。

ずっと大好きな『DOOM』MOD制作者は、故Esa “Espi” Repoです。「Suspended In Dusk」マップセットや、「Eternal DOOM IV」の「The Shrine」ステージなどを作った人です。彼は比類ない“場所の感覚”を持っていたマップ制作者で、素晴らしいアーティストであり、私の友人でもありました。

手前味噌ではありますが、「BTSX」の制作に協力してくれたチームは本当に素晴らしいです。チームのみんなと共同制作をすることができて、本当に幸運でした。特に、リードプレイテスターを務めたBoris “dew” Klimesは素晴らしかったです。ほとんど全てのマップにおいて、ゲームプレイ面における修正と改善を数え切れないほど提案してくれました。

SC:その他に感謝を伝えたい人はいますか?

id SoftwareのSpongeとKevinに心からの感謝を伝えたいです。「BTSX」を公式アドオンとしてリリースさせていただいたことに感謝します。それに、このような商業的なリリースは全く考えていなかったので、これほど大きなコミュニティプロジェクトを公開するにあたっては思わぬ困難もありましたが、それら全てを克服する手助けをしていただきました。Doomworldの皆さんにも、再リリースを実現できるほど長きにわたって『DOOM』コミュニティを維持してくださったことに感謝しています。そして、Black lives matterとトランスジェンダーの人権運動に賛意を表します。

お話を聞かせてくださったSarah Mancuso氏に感謝申し上げます! 再リリース版『DOOM II』の公式アドオンメニューから「BTSX Episode 1」を忘れずにチェックしましょう。引き続きSlayers Clubでも『DOOM』のコンテンツをチェックしてくださいね!

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Joshua Boyle

Senior Community Manager