
The Elder Scrolls V: Skyrim
今月のMOD開発者: Beyond Skyrim: Morrowind
The Elder Scrolls V: Skyrim
今月のMOD開発者紹介では「Beyond Skyrim: Morrowind」の開発チームに話を聞き、ヴァーデンフェルを再現するためのコラボレーションとその苦労に迫りました
Skyrim: Morrowind」の開発チームは何年にも渡るコラボレーションで開発に取り組んでいます。彼らは少し前に「Bonemold Weapon Pack」(PC、Xbox、 Nexus)をリリースしました。そこで見られる細やかな職人技からは、「Beyond Skyrim: Morrowind – The New North」のリリースでも期待できるヴァーデンフェルの愛情あふれる再現度ルの高さが垣間見えます。
Beyond Skyrimプロジェクトはいくつかの大規模コラボレーションプロジェクトを集約して過去の『Elder Scrolls』タイトルやDLCの世界、あるいは『TES V』で言及されただけの土地を再現しようというプロジェクトです。過去作の舞台については『TES V』における「現在」まで進化した姿になっており、その多くは元の世界から何百年もの月日が流れています。ライティング/アートディレクターのMeglos、3DリードのMia Cain、屋外レベルデザインリードのKothri、デザインディレクターのLarrianなど、「Beyond Skyrim: Morrowind」チームのメンバーにプレイヤーとして『Morrowind』に惹かれてMOD開発を始めるに至った経緯や、この壮大なプロジェクトでの共同作業について話をうかがいました。
『Morrowind』はBGSのスタジオとしての成長に欠かせない非常に重要なプロジェクトです。プレイヤーとして最初に『Morrowind』に惹かれたのはどんな点でしたか? MOD開発へのアプローチにどんな影響がありましたか?
Meglos: ビジュアルと奇抜さですね。最初に惹かれたのはその独特の奇抜さでした。私にとってはよくある中世イングランド風ではない初めての優れたファンタジー世界であり、そして何より、設定のすべてが世界のロジックにしっかり適っていると感じられました。都合よくすべてを説明してくれるNPCは存在せず、プレイヤーは自分の力で世界への理解を深め、自分の立場を理解しなければなりません。あの雰囲気と独特な環境での没入感は、自分の今後の作品でも表現したい要素です。

『TES V: Skyrim』の時代のモロウウィンドを再現するという挑戦に、どんなアプローチで臨みましたか?
Meglos: 当然、大きな課題となるのはレッドマウンテンです。当時から現在までの間に起こっている噴火もそうですね。チームは当初、あのゲームからどの程度を取り入れ、どうやって成立させのるかといったことをたくさん話し合いました。しかし実際に進めてみると、特に興味深い挑戦だったのは本土の政治情勢やどういった勢力が力を持つのかといった判断でした。過去作に登場した勢力、ロアで言及されただけの勢力、私たちが一から創作した勢力などが選択肢にありましたね。
Larrian: 『Skyrim』の時代設定に合わせるうえで一番大変だったのは、経過した200年の歳月をどう表現するかということです。赤い年とブラック・マーシュからの侵略を二十年前の出来事のように感じる人もいるかもしれませんが、実際はその時代を生きた人々の大半は既に死んでおり、それらの出来事の影響は非常に大きかったものの、モロウウィンドの復興はかなり進んでいます。「BS: Morrowind」の創作方針の大きな柱には、モロウウィンドを過去のしがらみから解放された新しい国として見る、ということがあると思います。過去2世紀の大惨事の影響を受けつつも、破壊し尽くされたわけではありません。

『TES V』であなた方が作り上げたモロウウィンドを探索したプレイヤーに、どんなことを感じてほしいですか?
Kothri: 『TESIII』で最初に船から降りた時のような驚きを感じてほしいですね。圧倒されるオリジナル版の魅力を残しつつ、『TESIII』にはなかった新鮮な感覚も与えたいと思っています。『TESIII』のGamebryoと比べてCreation Engineの制約が小さくなっているので、ディテールの強化が可能です。
新しい物語の可能性についても期待が膨らんでいます。モロウウィンドは私たちが最後に見た姿から大きく変化しており、ダゴスやネレヴァリンの予言の焼き直しをするつもりはありません。あの話は既に語られたものです。「Morrowind」と「New North」の新たな方向性にとてもワクワクしています。
Larrian: プレイヤーには「懐かしいけど新しい!」という感覚をできるだけ多く与えたいです。再構築されて技術的にも刷新されたロケーションやオブジェクト、植物や鉢や武器にもどこか懐かしい感覚を残すことは、私たちのモロウウィンドが『TES3』と地続きの世界であると感じさせるために非常に重要だと思っています。
それぞれに強い思い入れがあるだろう世界を再創造するにあたり、プレイヤーからの期待がプレッシャーになることはありますか?
Mia: もちろんあります。プレイヤーを魅了した『Morrowind』のロアやゲームプレイの多くは、この20年間で大きく変化しています。同じ設定に基づいて新たな見た目を作り出すのはユニークな挑戦です。皆さんにも気に入ってもらえることを祈っています!
Kothri: プレイヤーにとって特に印象的だったであろうシェオゴラドを作るのは特に楽しい挑戦ですね。作業時はTESIII Construction SetとSkyrim Creation Kitを一緒に起動して、『TESIII』のオリジナルレイアウトからインスピレーションを得つつ『TESV』に期待されるディテールと時代感を出せるようにしています。懐かしさと新鮮さのバランスが面白しく仕上がっているので、皆さんの反応が楽しみです!
クラシックタイトルや過去作の再現/アップデートはBGSのゲームに限らずMOD界の人気カテゴリーになっています。これはなぜだと思いますか?
Larrian: これには2つの理由があると思います。1つ目は単純で、プレイヤーやMOD開発者にとって愛着のある場所を見たいという需要です。MOD開発者は思い入れの深い対象に貢献している気持ちになれますし、プレイヤーとしては最新技術と新たな創作ビジョンで作られた場所を見て満足感が得られます。2つ目の理由は、少なくとも私にとってはですが、この種のプロジェクトでは古いゲームや異なるゲームの独自性を一貫した1つの設定内に適応、一致させていく行為がとても楽しいためです。食い違いを解消してすべてをフィットさせていく工程は非常にクリエイティブで興味深いプロセスだと思います!

「Morrowind」も「Beyond Skyrim」のより壮大な計画も、高度な連携と膨大な時間が必要となる壮大なプロジェクトです。共同作業はいかがでしたか? 個人の開発者/クリエイターとして得られたものはありますか?
Mia: 時には作業がスムーズに進まないこともあります。完全にオンラインかつ有志の活動なのでメンバーが途中で抜けてしまうことも当然ありますが、そんな時も常に新しい人が加わってくれます。個人的には、今ある3Dアートの知識のほとんどは「BS:MW」への参加を通して、特に他のアーティストとの共同作業を通して学びました。それだけでなく、素晴らしい仲間がたくさんできましたね。2020年にラップトップが壊れてしまったのですが、その時にはなんと、彼らの何人かがお金を出し合って新しいものを買ってくれました! 「BS」はいくつもの点で私の人生を良い方向に変えてくれました。大変だったことも含め、後悔は1つもありません。
Kothri: 「Morrowind」チームには約6年参加していて、「Star-Wounded East」への移行もやり遂げました。あの時のプロジェクトの進展ぶりは誇りに思っていますし、チームでの多種多様な専門家とのコラボレーションから多くのことを学びました。この種の有志プロジェクトは参加者たちの情熱が原動力となり、そこで育まれた固い友情にはとても感謝しています。プロジェクトの性質上、作業の進捗は自由時間の都合に左右されます。私たちは暮らしと健康こそが最優先事項だと常に強調しており、進捗が停滞してしまう時もありますが、それでも前に進み続けています。
Meglos: 私が参加するのはお金と名声と心からの感謝を受け取るためです。リリース日が迫っていようといまいと、愛情を込めて取り組んでいますからね。
というのは冗談です! お金は一切受け取っていませんので(今のところ)。