
The Elder Scrolls V: Skyrim
今月のMOD開発者: Anbeegod
The Elder Scrolls V: Skyrim
MOD開発者は個々のMODの作成において大きな野心を抱くものですが、複数のMODにまたがる共有世界を作り上げるには、特別な才能と経験豊富なコラボレーターが必要です。
Anbeegod (Bethesda.net、Nexus) はクリエイター兼ディレクターとして、大規模なエンディング後のクエストラインと拡張コンテンツに結びついた「Shezzarine Saga」という一連のMODを手掛けています。共通の伝承や交錯するシステムを通じて、複数のMODがAnbeegodの新しいストーリーとゲーム本編のストーリーの両方に呼応する形でつながっています。こうしたMODにはDLC規模のMODである「Death Becomes All」のほか、複数のユニークな従者や「Stock Market of Skyrim」なども含まれます。
今回のインタビューでは、「Shezzarine」MODの世界の概要についてAnbeegodにお話しを伺い、そのインスピレーション、デザイン哲学、今後の展開などについて教えてもらいました。また、ゲームとMODの両方において特に興味を持っている点や、世界をまたにかけてバーチャルに共同制作する難しさについても聞くことができました。「Shezarrine」をはじめとした、Anbeegodが生み出す作品の数々に多くの期待が寄せられています。
「Stock Market of Skyrim」はとてもユニークなMODです。何からアイデアを思いついたのですか?
「GameStonk」にインスパイアされて株式市場MODを思いつきました。
もう少し真面目に回答すると、大学卒業後に金融を少し学んだ段階で、このMODを作ってみようと思ったのです。それと同じころ、別のMOD「Shezzarine」でサルモールに独自の通貨を導入して、通貨交換システムの構想を練っていました。(彼らだって、最悪の敵の肖像を使って取引したくないでしょうし)
通貨は株と同じように、国の経済力や企業の価値を表すものです。ヴィキを殺せば東帝都社が傾くように、「Shezarrine」を遊ぶことでサルモールの経済を悪化させられます。大きな権力を持てたらどうするか、そんな夢を実現できるMODです。
現在進行形で開発中の「Shezarrine Mod Universe」では(「Stock Market」もこの一部です)、関連MODがすべて同じ伝承やキャラクターで結びつけられています。こうしたMODを伝承やキャラクターを通じてリンクさせようと思ったのはいつですか? また、なぜリンクさせようと思ったのですか?
背景を詳しく説明すると、「Stock Market」の企業はシェザールの伝承の中に存在するもので、サルモール至上主義者が支配するコングロマリットの「Abecean Expeditions」などがその例として挙げられます。もうひとつの例は最高の皇室一家、そしてタムリエルで最も冷酷な策士にちなんで名付けられた「ヴィキ・サルビア指数」です。
私は開発初期から、自分が書いた伝承を基にMODを制作しています。何かを書いて、それで(ゲームの)世界に影響を与え、プレイヤーたちと交流することは、新しい現実を創造するようなものです。そこにロマンがあると思うのです。
これに関連する例が、スカイリムにアンデッドの大量発生をもたらすクエストMOD「Death Consumes All」です。疫病のメカニズムやアンデッドの大群の背後には、プレイヤーとその従者であるLivia Salvianが疫病を引き起こした悲劇とどう関わるかというテーマがあります。作家として、私が作り上げたストーリーに対して皆さんが考察してくれていることをとても嬉しく思っています。Liviaの独善的な父親が悪役を作り出したのか、それとも悪役が固執するあまり自ら悪役を生み出してしまったのか、など考える余地があるストーリーです。

「Shezarrine」はどんな内容で、これまでに作り上げたMODの世界では今後何を計画していますか?
「Shezarrine」はMODの世界に加えて、複数の章からなる冒険です。人間にとっては解放の神、エルフにとっては災いの神であるロルカーンの化身として、自分のアイデンティティを発見することになります。種を滅亡させたロルカーンに復讐を誓った全能の謎の神「太陽神」に追われ、サルモールと帝国の憎悪の渦に巻き込まれていきます。
太陽神の復讐から生き延びるために不穏な同盟を組み、多くの者の運命を左右すると同時に、人類が信じたがった解放の化身か、不幸をもたらすために生まれた災厄の化身となるか、Shezarrineとしてのアイデンティティを築く決断を下します。
この作品では自分自身と周囲のキャラクターの選択と人格形成に重きが置かれていて、新しい仲間である謎の魔術師Aldenもその中に含まれています。ノルドとして生まれ、エルフと共に育った彼は、どちらの世界にも受け入れられない悩みを抱えています。あなたが太陽神の怒りから生き延びるために彼の協力が不可欠であるように、あなたが彼を仲間として迎え入れることで、彼は自己を形成できます。
Aldenは冒険だけでなく、オリジナルのゲームとも深く関わってきます。オリジナルのゲームの主要なクエストほとんどに対応するだけでなく、オリジナルのストーリーに新たな選択肢や独自の視点を提供してくれるのです。
近日公開予定のMOD「Shezarrine Chapter 1」では、仲間のAldenと巨大で魔法的でありながらディストピア感が漂う大都市、サルモールの首都アリノールが登場します。
Aldenの従者のコンテンツ、アリノールの外装、そしてほとんどのクエストが完成済みです。私たちの開発チームは、クエストの実装やCreation Kitのインテリアデザインに精通している人、NPCの構築に情熱を持っている人を募集しています。

伝承以外で一番楽しく取り組んでいる要素はなんですか? 制作するコンテンツの裏側にはどのような思想がありますか?
私はクエストデザインが好きで、人々のために冒険を作り、それが相互に作用するのを見られるクエストデザイナーになりたいと思っていました。現実ではデータアナリストの仕事に就いていて、プレイヤーが環境やその他のキャラクターとどのような関わり方をしているのかなど、パターンを観察するのを楽しんでいます。
ゲームという相互作用的なメディアは、プレイヤーをコンテンツに関わらせるべきだという私の哲学とリンクしていますし、Bethesdaの作品のようにプレイヤーが高度に関与できるゲームを私が特に好む理由でもあります。
ですが、ロールプレイング以外にも魅力的なコンテンツはあります。伝承の書、NPCのルーチン、世界観を築く環境ディテールなどの静的なコンテンツは、プレイヤーをゲームの世界に没入させるために役立ちます。こうした要素は『Skyrim』がプレイヤーに語りかけ、ファンが作成した膨大な数のメディアを動かし、作品の成功に大きく貢献しています。
生き生きとしたゲーム世界こそ、「Shezarrine」の主な舞台であるアリノールの目指すところです。

チームで協力しながらMODを制作する過程で、どのような難題に直面しましたか?
一番の課題は、リソースが限られた小さなチームであること、そしてメンバーのいるタイムゾーンが異なることですね。そのため、「Shezzarine」の開発では範囲を設計し、リソースに関して十分な情報を得た上で意思決定を行う必要がありました。国際的なチームワークとプロジェクトマネジメントの貴重な経験になりましたね。

お気に入りのMODやオススメしたいMOD開発者を教えていただけますか?
Adolon (Bethesda.net、Nexus)とMorrodes (Bethesda.net、Nexus)、それにLeodoidao (Nexus) は私の開発チームのメンバーです。やっぱり、仲間の作品をオススメしたいですね。
