
The Elder Scrolls V: Skyrim
今月のMOD開発者: Adolon
The Elder Scrolls V: Skyrim
最新の「今月のMOD開発者」では、才能あふれるレベルデザイナーのAdolon氏による新たなプレイヤー体験の制作について、そして次の冒険シリーズの予定についてのインタビューを掲載しています。
新たなダンジョンや冒険の製作には多大な労力を費やします。Creation Kitを開く前から、制作者はさまざまな要素を考慮しなければなりません。今月は、Adalon氏に初期段階での計画の立て方やどこからインスピレーションを得ているのかといったことについて、詳しく語っていただきました。
MOD開発はどのように始めていますか? ロケーション、ストーリー、システムなど、最初に手を付けるポイントは?
まずはストーリーから始めます。ベースとなる問題要素(吸血鬼、ドゥエマー、ドラウグル)、テーマ(大聖堂、廃墟、洞窟)、そしてその二つを繋げる物語(ファルメル、デイドラ、あるいはさらなるデイドラ)を決めます。私が制作しているカラーシリーズのMODは、クエストというよりはダンジョンといった感じなので、周囲の環境や各地に散らばる本や手紙といった資料を通してストーリーをプレイヤーに伝える必要があります。ストーリーの多くの部分はプレイヤーの想像力に任せるようにしています。
次に決めるのはロケーションです。通常、最も時間がかかる部分です。ですが、ゲームやCreation Kitを起動しなくても、スカイリムを上から見下ろせるような素晴らしいツールもあります。私はそうしたツールを使って、地域に配置してあるマップマーカーの少なさを目安に、なるべく混み合っていないエリアを探します。とはいえ、このツールも完璧ではありません。最高の無人スポットを見つけたと思っても、Creation Kitでズームインしてみるとランダムエンカウントやクエストがそこに出現すると判明することがあります。こうしたエンカウントやクエストを削除するのはもってのほかです。私は自分の痕跡をなるべく小さくしておきたいので、サテライトマップに戻ってもう一度ロケーションを探す作業からはじめます。
最後はシステムです。ストーリー、ロケーション、そして各レベルの繋げ方に関する基本的なアイデアが固まったら、最後の工程として罠やエンカウントなどのシステムを追加していきます。これらの作業は、MOD完成の数日前に完了することもあります。例えば「Yellow King」に設置した視線の罠などは、他の要素がほとんど出来上がってから完成させました。
どんな所からインスピレーションを得ていますか?
ほとんどは小説からインスピレーションを得ていますが、音楽、建築物、他のゲームからヒントを得ることもあります。
J・R・R・トールキンは「まずは名前から、その次に物語」と言ったことで有名ですよね。最新のMODでは、どんな内容か決める前から「Yellow King」という名前にすると決めていました。また、様々なホラー小説に「The King in Yellow(黄衣の王)」というフレーズが登場するので、この時点でホラー要素が含まれることも決まっていました。そして「The Tragedy of the King in Yellow」というMODで、プレイヤーが読める自作のノルドの伝説を書きました。この伝説は、トールキンが英雄叙事詩ではなく死者への嘆きだと説いた「ベオウルフ」をはじめとする北欧の伝承をもとにしています。それから、この伝説をドラゴンの言語で書き直しました。また、ネット上でノルド語のケニングの一覧を見つけたので、それを使用して伝説に登場するキャラクターやアイテムの名前を作りました。「Yellow King」に登場するノルドの名前のほとんどはスカルド詩で黄金を意味しています。一方、サルモールのキャラクター名はトールキンのシンダール語やクウェンヤで黄色や黄金を意味する言葉からきています。そして、王の名前「ハフドリム」はドラゴンの言語で精神を意味します。これは、この物語において重要なキーワードです。
『The Elder Scrolls IV: Oblivion』で私が最も気に入っているクエストのひとつが「死の淵」です。クエストの中で、プレイヤーは絵画の中へ転送されます。環境や敵のテクスチャは、いずれもこのクエスト固有のもので、なにもかも油絵のような見た目をしています。「Yellow King」は、見覚えがあるもののテクスチャが通常とは異なる世界を作り上げることで、何もかも見たことがあるのに違和感が拭えないといった感じでプレイヤーを困惑させるというアイデアからはじまりました。このクエストは、そうした「Yellow King」のインスピレーションのもととなったので感謝しています。

開発の何が一番楽しいですか?
レベルデザインです。デジタルの建築ブロックで遊ぶような感じですね。ストーリー作りと合わせて、色んな人が私の作った世界でインタラクトしたり体験したりするのを見るのはとても楽しいです。「Yellow King」では洞窟の見え方がちょうど良くなる角度や幅を決めるのに何日もかかりました。みんなが驚いて、思わず立ち尽くして見入ってしまうようなものを作りたかったからです。
私がレベルデザインをはじめたきっかけは、『The Elder Scrolls III: Morrowind』を手にしたことです。初めてディスクケースを開けた時に、中にCDが2枚入っているのを見て驚きました! ゲームと一緒に「Construction Set 」が含まれていたのです。望めばゲームそのものを分解することもできました。バルモラで自分の家を建てたことも覚えています。それ以来、レベルデザインにハマっています。
現在は何か開発していますか?
私が手掛けている「Red Flame」「Orange Moon」「Yellow King」のMODシリーズは虹色がベースとなっています。現在、次の色であるGreenを開発中です。MODの名前は「Green Sleeves」にする予定です。イギリスの民謡「グリーンスリーブス」とその歌詞をご存知であれば、MODのテーマも予想できるかと思います。他の色についてもすでに概要は出来上がっています。

オススメのMODはありますか?
Anbeegodの「Death Consumes All」(Xbox、Nexus)と「Shezarrine - The Fate of Tamriel」(XB1、Nexus)です。これらのMODでは、「Red Flame」を公開した直後にレベルデザインのサポートとして私に声がかかりました。MODに登場する「Magickal Realm」という名の野外エリアは私が作っています。
他には、SeriousW00Fの「Undead FX」(Xbox、PC、Nexus)も好きです。特に死霊術師や吸血鬼といったキャラクター(現在の私のキャラクター)の場合、起き上がった死体の皮や筋肉が徐々に崩れていって、中の骨があらわになる描写にはグッと来るものがあります。
あとはThirteenOranges(Bethesda.net、Steam)が手掛けたMODシリーズは全部オススメです。クエストが短いのに内容が濃くて、ゲームの雰囲気を壊さずやりすぎないところが気に入っています。上手く作られていてとても自然なので、自分のキャラクターがやっているクエストがスカイリムの公式のものではないというのを忘れてしまうほどです。