
Fallout 76 (PC)
Buy GameBethesda Game Studiosのデザイナー、Kris Takahashiを紹介します。
Fallout 76 (PC)
Buy GameBethesda Game Studioの開発者Kris Takahashiを紹介します! 『Fallout 3』のMOD制作をしたり、『The Elder Scrolls: Skyrim Anniversary Edition』をプレイしたり、『Starfield』の銀河を旅したりしたことがあれば、きっとKrisの作品に触れています。熱心なMOD制作者だったころからデザイナーとしてBethesda Game Studiosの一員となるまでの、Krisのゲーム業界の旅路を見ていきましょう。
MOD制作を始めたきっかけは何ですか?
初めてプレイしたBethesda Game Studiosのタイトルは『Oblivion』でしたが、圧倒されました。当時はまだオープンワールドゲームが一般的ではなかったため、洞窟で暮らしていた原始人が初めて三次元で描かれた作品を目にしたような体験でした。魔法と言ってもいいほどでしたね。
あまりに長時間プレイしていたため、稼働しっぱなしのコンソールを冷却する方法を検索サイトで調べていたほどでした。言うまでもなく、『Oblivion』にはまっていました。
『Oblivion』の後に過去のタイトルをプレイしたくなったのですが、過去作のグラフィック、システム、そしてクリフ・レーサーに適応するのが難しく感じました。そこでMODについてたくさん調べたうえで、自分のMODを作るようになり、やがて野心があふれすぎて『Morrowind』全体を再設計しようとしました。そのプロジェクトは作品になりませんでしたが、「Creation Kit」について多くを学ぶ機会となりました。
これからMOD制作を始める人に対するよくある助言は、「小さなことからはじめる」というものです。私自身も、これまでのインタビューでも何度も言ってきました。実際に作品をリリースしたいのであれば、やはり大切なアドバイスだと思います。ですが壮大な目標を立てて失敗しても害はありません。その過程でも学ぶことはあるからです。重要なのは失敗を受け入れることと、その失敗から学ぶこと、そして完成品だけが自分の実力だと思わないことです。私は失敗も成功の一種だと思っています。学びのチャンスだからです。
『Fallout』のMOD制作で一番好きな要素はなんですか? 過去のMOD作品で一番のお気に入りはどれですか?
私は『Fallout 3』と『New Vegas』のMODをたくさん作りました。お気に入りは「ドット食堂」というホラーのクエストですね。普段は手を出さないジャンルなので、居心地のよい空間から外に出る挑戦という感じで開発しました。クエストの「つかみ」は呪われた公衆電話です。その電話は毎晩真夜中に鳴り、電話に出ると誰かが死んでしまいます。『Fallout 4』では各種クエストMODを作ったほか、音楽よりもトークショーに焦点を当てたラジオMODを作りました。これはゲーム本編を補完する細かな描写が旅の途中で発生するように開発したMODです。
奇妙な作品もたくさんリリースしました。『Fallout 4』向けのクエストで、かつての大統領候補でありながら、クエスト時点では老人ホームに暮らすロボブレイン2人が登場する作品がありました。戦争によって選挙が中断された2人の諍いを鎮めるために、プレイヤーは老人ホームの入居者に投票をしてもらいます。「Road to Liberty」の開発チームに協力してもらい、選挙のCMがラジオから聞こえてきたり、選挙の看板が登場したりします。候補者たちは「任期中の税金ゼロ、アイスクリーム無料、スーパーボウルを4回開催」といったむちゃくちゃな公約を掲げます。また、プレイヤーのカスタム仲間を第3の候補として登場させ、仲間の選挙を手伝うこともできます。
「Hope Lies」はあまり注目されませんでしたが、私が作った中で一番の仲間だと思います。彼女は非常に信心深い女性ですが、自分の信仰心に苦しんでおり、道徳に反する決断を下した贖罪を得ようとします。彼女の名前は、「hope is a lie」(希望は嘘だ)という意味でもあり、「hope lies within」(希望は己の中にある)という意味でもあります。
私のMOD作品はコミュニティに温かく迎えられていますが、今となっては少し古くさくなってしまっているでしょう。最近のMOD制作者の作品はずっと先を行っていると思います。今は開発チームを結成してDLCのようなMOD作品をリリースする人もいて、本当に驚かされます。本当にすごいと思います。
『Fallout』の世界のどの部分に引かれてMODを作ろうと思ったのですか?(『Fallout』世界のどの部分がクリエイティブな遊び場として優れていると感じましたか?)
Bethesda作品の作られ方に引かれたんだと思います。制限がないキャンバスのように感じられますし、トーンを少し変えてもゲーム本編の邪魔をするように思いません。質問に直接答えると、『Fallout』は非常に独特な雰囲気と視点を持っているため、MOD制作を自由に楽しめます。未来が舞台ですが、過去の雰囲気も持っているのです。コメディチックですが、シリアスな面もあります。他にはないユニークな作品です。
ゲーム開発者というキャリアを現実的な選択肢として考えるようになったのはいつですか?
私は趣味としてのMOD制作を6年ほど続けていましたが、ゲーム開発をキャリアとして考えるようになったのはBethesdaが「Creation Club」を始めてからです。「Creation Club」が始まってからも、自分を売り込むスキルが低いこともあって、誰かの目にとまっているかどうか自信がありませんでした。ですがMOD制作の仲間たちが、私のことをBGSにすすめてくれました。そのことについてはとてもありがたく思っています。
「Creation Club」は多くの面で開発者としての私を成長させてくれました。プロの基準に合わせてコードを整理しなければと思いましたし、台詞やクエストだけでなく、システムの奥深くまで学ぶようになりました。武器のバランス、ステージデザイン、ワークショップのクラフトなどを学び、MOD制作仲間であり、友人でもあるRob Vogelに「Riekling」のコンセプトアートを渡すということもしました。
そのうえ、Bethesda Game Studiosの開発者とも会う機会に恵まれました。彼らが私のことを推薦してくれなければ、そもそも候補者として名前が挙がることはなかったでしょう。
Bethesda Game Studiosで働き続ける理由は?
他のスタジオで働くよりはBethesdaにいるほうが居心地がよいからだと思います。Bethesdaのツールを使用してきた経験が豊富ということもありますし、何より同僚と良好な人間関係を築けています。結局のところ、仲間が大切なのです! もし明日からゲーム開発ではなく焼き菓子を売ることになっても、ここはよい職場だと思います。スイートロールの作り方を学ばなければいけませんが、きっとできると思いますよ。なにせゲーム内では何度もやってきましたからね。
それで1つ思い出したことがあります。私は加入する前から開発者の皆さんのことを尊敬していましたが、実際に開発者の一員となってその敬意は10倍になりました。多くの制作者にとって『Starfield』のMOD制作はシームレスな体験になると思いますが、それはベセズダのスタッフがこの5年間頑張り続け、新たなツールやシステムを洗練させ続けた結果です。この作品の開発を通じて、私はAAAタイトルをリリースすることの大変さを理解しました。
現在はプロの開発者としてどのようなプロジェクトに携わっていますか? また、MOD制作者として身についたスキルが現在の業務に活かされている部分はありますか?
私は正式に開発者となってから「Creation Club」に携わり、その後『Fallout 76』の仲間キャラを何人か手がけました。その中で特に気に入っているのはサム・グエンです。アジア系アメリカ人のミュージシャンで、1950年代のアメリカ風の世界とは少し場違いな雰囲気があります。また『Starfield』では、仲間や勢力のクエスト、入植地、乗船のイベントなど、多くの要素の調整を手伝ったほか、NPCの台詞を数十人分書きました。その中でも人気があるのはおそらく「熱心なファン」でしょう。私にとって初めてのBGSタイトルは『Oblivion』だったため、Craig Sechlerと仕事ができたことは喜びでした。
ムリア・シャルキヴィチとペイズリー・ホプキンズ(エイリアンペットのグランブルが特徴の商人)などのちょっとしたキャラクターも、多くの注目を集めました。ムリア役の声優さんは“Mondays with Muria”というTwitchの番組をやっており、その番組ではキャラクターのまま視聴者の質問に答えています。非常に面白いことですね。また、SY-920で「外交的」Perkを使って警備兵を説得できるシーケンスを手がけたのも私です。あんなに反響があるとは予想していませんでした。まったく新しい発想というわけではありませんが、楽しいシーケンスだと思います。また、ゲーム全般を通して耳にする群集の会話も書きました。
他にも出来映えに満足している小規模なクエストもいくつかあります。すぐに思い浮かぶのは「私の北極星」と「顔の問題」です。「私の北極星」は私たちにとっての北極星が時間とともに変わるという事実に基づいています。現在の私たちにとってはポラリスですが、12,000年後にはベガになります。そして北極星という言葉が持つ比喩的な意味も併せると、クエストのコンセプトとして面白いと思いました。私たちは人生の道とは一定のものだと考えがちですが、人の心や周りの状況というのは時とともに移ろいます。このクエストでも、キャラクターは自らの決断に苦しみ、どういう人生を送りたいのか、どういう人間になりたいのかという点に悩みます。キャラクターを連れて一緒に星を見るという短くてシンプルなクエストですが、本作のトーンと「冒険」というテーマにぴったり合っていると感じました。ここで言う冒険とは、星空を飛び回るだけでなく、私たち自身を巡る旅でもあります。
この業界を目指す人にアドバイスはありますか? Bethesdaに入ってどのぐらい経ちますか?
その人の考え方にもよると思いますが、重要なのは人脈だと思います。たくさんの作品をポートフォリオとして持っているより、積極的に人と会って自分を売り込む方が重要だと思います。私がかつてやったように、ただ10年間作品作りに没頭して「いずれ誰かが私の作品の山に気づいてくれるだろう」と考えてはいけません。それよりは小規模な作品を作って、重要な人に見てもらうようにした方がはるかに楽です。
インスピレーションを与えてくれるお気に入りのゲームは何ですか?
一番のお気に入りタイトルは『クロノ・トリガー』です。この作品に触れた場所と時代を考えると、きっといつまでも一番であり続けると思います。
『スタンド・バイ・ミー』の終わりにこのような台詞があります:
「12歳の頃に一緒にいた仲間たちのような友人を、その後作ることはできなかった。いや、それはみんなも同じではないだろうか?」
私はゲーム作品についても同じだと考えています。年を取ると、技術的な面やアート、デザインなど他の部分に注目するようになります。ですが子供の頃はなんでも可能なように思えるため、初めてプレイするタイトルの高揚感や新鮮味などがまったく違った体験となります。
Bethesda Game Studiosでのゲーム開発(それ以外でも)にまつわる面白エピソードはありますか?
「熱心なファン」の声をあてたCraig Sechlerと実際に会うことができたのは楽しい体験でした。彼は本物のプロフェッショナルです。またBGSの過去作の開発者たちと会えたのも素晴らしいことでした。どのコンテンツを手がけたのか聞くのですが、私は彼らの作品を通じてすでに彼らのことをよく知っているように感じました。
現在取り組んでいるゲームへのアプローチ方法は、過去に取り組んだゲームと異なる点はありますか(新しいツール、新しい技術、新しいテクニックなど)? また、新しいことを試す特別な機会はありましたか?
『Starfield』ではプロジェクトの終盤で参加したため、特定のポジションにいたというよりは便利な何でも屋という感じでした。今後のタイトルではコンテンツの最終調整を手伝うというよりは、私のコンテンツをプレイヤーの皆さんに体験してもらえると思うので、これからのプロジェクトに参加するのが楽しみです。
手応えがありつつも楽しく、そして革新的なコンテンツを手がけたいと思っています。それに、興味深いNPCも作り出したいですね。
時間を割いて質問に答えていただき、ありがとうございました。Bethesda Game Studiosの社員の話をもっと知りたい方はこちらをご覧ください。KrisやBethesda Game Studiosのスタッフと一緒に働きたい方は、今すぐcareers pageからご応募ください!