
The Elder Scrolls IV: Oblivion
Bethesda Game Studiosのスタジオディレクター、Angela Browderをご紹介
The Elder Scrolls IV: Oblivion
今月はBethesda Game Studiosのスタジオディレクター、Angela Browderにお話を伺いました。
彼女の担当業務やキャリアの歩み、そして彼女をリーダーとして成長させたビデオゲーム業界での体験について教えていただきました。
Bethesda Game Studiosのスタジオディレクターとして、どのような役割を担っていますか? 普段はどのような仕事をしていますか?
毎日決まった仕事をするということはありません。私の仕事に大まかに3つに分けられ、日々、どんな作業をするかはその日のニーズによって変わります。
私には大きく分けて3つの役割があります。その1つが、施設の管理やハードウェアの整備など、「ある作業を進めるために必要な物」を精査するといった日常業務です。その次が将来設計。このスタジオをどうしたいか? 私はどんな人物になりたいか? ここで働く人たちにどんな職場環境を提供したいか? などについて、1年後や5年後を視野に入れて考えています。自分が働きたい場所という目標やビジョンを実現するため、今から何をすべきかということに思いを巡らせます。
最後に、3つ目の役割として各リーダーの相談役を担っています。スタジオを率いるにせよ、個々のプロジェクトを率いるにせよ、リーダーとなる人には多くの責任がかかっています。そこで私の登場です。アドバイスや計画の策定、建設的な批判、皆さんが負っている責任への対応の仕方に関する助言など、誰もが相談できる存在として立ち回ります。この役割にはとても真剣に取り組んでいますが、大好きな仕事のひとつでもあります。このようにして、リーダーはより良いリーダーになり、チームを成功へと導くことができるようになるからです。
現在の役割につくまでの経緯は?
当初は規模が小さかった品質保証からはじめましたね。私は『The Elder Scrolls IV: Oblivion』のPS3版の夜勤のリーダーを務めていました。その後、プロデューサーのポジションで面接を受ける機会がありました。その職に採用され、アート部門に配属されましたが… 私はアートについて何も知識がありませんでした。法学部出身ですからね。でも、実践を通して冷静に学ぶ素晴らしい機会だったので、誰も知らなかったアートプロデューサーとはどんなポジションなのかを考えることができました。仕事をしながら学び続け、次第に自分が成功するにはどうすべきかという洞察を得ることができました。プロデューサーには主に2つの責任があります。1つはプロジェクト、もう1つは働く人々に対する責任です。それは上の立場になればなるほど、重みが増していきます。
私はアートプロデューサーとして15年ほど務めました。最初はキャラクターアートとアニメーションを担当し、最終的にはアート部門全体を管理するようになりました。50人から60人のアーティストを管理し、みんなが製品制作の軌道に乗っていることをしっかり確認するだけでなく、一人ひとりに人生があるということを考慮し、みんなのキャリア目標を達成できるように手助けしたいと思いました。みんなが満足して仕事ができるように、小規模なところからスタートした部門の成長に合わせて、新たなプロセスや手順を多大な時間をかけて導入していきました。そういった経験が現在の役割を担う上でとても役に立っています。
私は2020年にスタジオディレクターになりました。人材と組織を良い意味でマネジメントしてきた経験が評価されての抜擢だと思います。
法学部の学位取得からゲーム開発へ進んだ理由は何ですか? また、学位取得で得たもので現在の仕事に役立っているものはありますか?
昔、私は『Modus Operandi』というMUDをプレイしていました。ハイスクールの頃から何年もプレイし、最終的にはゲームマスターになりました。私にとっては創造的な試みでした。司法試験に合格したばかりでしたが、法学部を卒業して職がなく、多くの借金がありました。仕事を見つけようとしていたところ、Bethesdaで働いている友人から「QA部門が募集をかけているよ。仕事を見つけるまでここで働けばいいんじゃない?」と声をかけられました。
それから1年も経たないうちに、私は人生の岐路に立たされていたので、オファーされたアソシエイトプロデューサーを引き受けることにしました。ロースクールは好きだったし学ぶことも大好きでしたが、弁護士の仕事にそれほど充実感はありませんでした。当時はアーティストやプログラマーでなければ、ゲームの世界でキャリアを積むことができるとは思ってもいませんでしたね。
ビジネスと法律の学位を取得したことで、プロデューサーとして成功することができました。高度な教育を受けたことで、物事を管理して人とコミュニケーションをとる能力が身についたのだと思います。優れたプロダクトマネージャーになるための多くのツールを得ることができ、自分の知らない側面を学ぶことに時間を費やすことができました。今の私があるのは、とても包括的な教養を身につける機会があったためだと考えています。
これまで関わった中で一番気に入っているプロジェクトはなんですか? 思い出深い瞬間はありますか?
一番気に入っているプロジェクトは『Oblivion』ですね。ほとんどの人にとって、業界に入って初めて手掛けたプロジェクトは特別な思い入れがあると思います。素晴らしいゲームだったからというのもあります!
すごくベタなことを言うと、スタジオディレクターになったことは自分にとって非常に大きな瞬間でした。長い間どこかで働くとき、誰かが自分を信頼して抜擢してくれることで、自分がやってきたことがしっかり評価されてるんだなと実感できます。「Angela、君ならできる。君に任せるよ」って言ってくれるということは、相当信頼してくれている証です。Toddから「君をスタジオディレクターにするよ」と電話で言われたとき、何がなんだかわからなかったので彼に同じことを二度言わせてしまいました。電話を切った後、たくさんの感情がわいてきました。私の人生とキャリアにとって大きな意味を持つ瞬間だったからです。
もうひとつの思い出深い瞬間は、ドルビー・シアターで『Fallout 4』を発表したときのことです。当時、私は映像まわりのプロデューサーを務めていたのですが、『Fallout』を待ち望んでいたファンに囲まれながらTodd Howardが映像を上映した瞬間は忘れられません。全員が溢れんばかりの期待を寄せていて、『Fallout』を愛するがゆえにあんなに喜んでくれる姿を見ることができて感動しました。私のキャリアでこれに匹敵する瞬間は他にありません。
仕事の中で一番好きなのはどんなところですか? 日々、どんなことに幸せを感じますか?
ありがたいことに、私はここで18年間も働くことができています。ここまで長くいたのも、ひとえに一緒に働く仲間たちのおかげです。みんな友達なんです。私の結婚式の出席者は85%くらいがBethesdaの従業員でした。一緒に汗水たらして働くことで生まれる絆や、長い時間を一緒に過ごすことで得られる関係のおかげです。陳腐な言い方かもしれませんが、私がずっと前にBethesdaに入ったときから、ここのみんなは家族になったも同然です。スタジオディレクターになった今、私はみんなにとって正しいことをしたいし、みんなが素晴らしい体験をできるようにしたいと考えています。彼らはいろんなものを与えてくれたし、私自身もみんなのためにより良くする能力を持っていると思っています。
これからゲーム業界を目指す人、特にビデオゲーム未経験者に向けてのアドバイスがあればお願いします。
業界の枠にとらわれず、とにかく会社がどんなスキルを求めているのかを見てほしいですね。何事もどのように活かすかが大切です。自分の経験をそのように考えることで、どんな採用担当者にも「私はこの業界で働いたことはないけど、こういうスキルセットを持っていて、学ぶ意欲もあるし、ゲームが大好きです」とアピールできます。
採用担当者は人材を育てることに積極的なものです。ほとんどの採用担当者は埋もれている、50%ほどダイヤの原石を待ち望んでいます。必要なことはすべて教えるけれど、私たちの組織に最も適した方法で働く社員や企業文化に適した社員を形成する手助けもできるのです。
もうひとつは、諦めずに応募してほしいということ。ある特定の場所にあなたという人材が合わないだけかもしれないし、プロジェクトの中であなたに投資して教える余裕がない段階かもしれませんが、別のスタジオはそういう段階にあるかもしれない。一度落ちたからとしって、くじけないでください。とにかく挑戦し続けてほしい。落ちたからといって、あなたの人間性が否定されたわけではありません。とにかく諦めないで、応募し続けましょう。
来年、最も楽しみにしていることはなんですか? Bethesda Game Studiosの未来はどうなっているでしょう?
スタジオとして私たちは飛躍的に成長し、今後どうなりたいかを決める機会を得ることができました。今の状況には満足していますが、まだまだ成長の余地はあります。その過程に関わることができるのが楽しみですし、キャリアのすべてをここで過ごしたことを誇りに思います。定年退職までこの仕事を続けるつもりです。
いずれ私の孫娘が満足で幸せに働き、挑戦できる課題を見つけ、充足感を得て、キャリアを見つけられるような場所を築きたいです。世界一のゲームメーカーであると同時に最高の雇用主であるとも言えるような、オールラウンドな会社でありたいと思います。
質問に答えていただき、ありがとうございました。Bethesda Game Studios開発チームについてはこちらにて詳しく紹介しています。AngelaやBethesda Game Studiosのメンバーとともに働きたい方は採用ページ 英語版 をご覧いただき、ご応募ください!